WRC2018/05/23

ロドストローム、14分差をつけてジュニアWRC圧勝

(c)Pirelli

(c)Juniour WRC

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 先週末開催されたラリー・デ・ポルトガルではFIAジュニアWRC選手権第3戦が併催され、過酷な4日間の挑戦の中で、デニス・ロドストロームが圧倒的な勝利を収めて幕を閉じることになった。

 Mスポーツのフォード・フィエスタR2とピレリ・タイヤのワンメイクで争われる今季のジュニアWRCはスウェーデン出身のエミル・ベルクヴィストで始まった。

 ベルクヴィストは木曜日夜のスーパーSSでトップにたったあと、金曜日の朝のすべてのステージでトップタイムを奪ってラリーをリードする。しかし、彼はその日の午後、メカニカルトラブルからタイムを失い、最後のストリートステージで同じくスウェーデン出身のロドストロームに首位を譲ることになる。

 ベルグヴィストは土曜日、速さを取り戻してオープニングSSから連続してベストタイムを奪って首位に浮上したが、SS12アマランテで横転することになった。

 こうして石が散乱するグラベルステージでライバルたちが次々脱落して中、トラブルを回避することに成功したロドストロームはさらにアドバンテージを広げ、最終的に2位以下に14分57.8秒という大差をつけて圧勝、開幕戦スウェーデンに続く2勝目を飾り、選手権タイトル争いでもリードを広げている。

「僕たちは1位で終われるとは予想していなかったよ。今回はビッグ・チャレンジになることは分かっていたからね。ハードにプッシュしつつもクルマのケアはしっかりやっていく、というクレバーなやり方でなんとか勝利に結びつけることができたんだ。グラベルラリーでは、以前の僕たちはもっと遅かったけど、今は成長することができたと思っているよ」と、彼は語った。

 後続のエンリコ・オルドラーティに9分以上のタイム差をつけて2位を走行していたカルム・ディヴァインにとっては辛いラリーの終わり方となってしまった。アイルランド出身の彼は、最終の3つ前のステージでステアリングが壊れたことで、リタイアしている。この結果イタリア出身のオルドラーティは、まだ4度目のラリーにして表彰台を獲得している。

 ニュージーランド出身のデビッド・ホルダーは初日は5位だったが、土曜日の午前中に横転、さらにドライブシャフトの破損でデイリタイアがあり、リスタートした最終日も最後のステージでパンクとドライブシャフト破損に見舞われながらもキャリア最高の3位に入っている。

 トルコのブーラ・バナツは、SS5のダブルパンクに耐え、ホルダーから7分遅れの4位となっている。

 ベルグヴィストは最終日を通して猛チャージをかけ、5つのステージのうちの4つでステージウィン獲得し、8位から5位にまで順位を上げている。イタリアのルカ・ボッタレッリが6位となっている。

 エストニアのケン・トルンは初日2位につけていたが、SS13でドライブシャフト破損でリタイアとなり、5位でリスタートした最終日も横転してリタイアとなった。ジュリアス・タンナートは最終ステージターボ・パイプを破損して13分の遅れをとり、10位に終わることになった。

 ジュニア選手権は初夏で一時中断となり、7月26〜29日のラリー・フィンランドで再び始動する。