WRC2018/07/29

ロヴァンペラ、サスペンション破損で首位失う

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 ラリー・フィンランドのWRC2選手権2日目は、スタート直後からずっとリードを守ってきたシュコダ・モータースポーツのカッレ・ロヴァンペラ(シュコダ・ファビアR5)が、この日最後から2番目のステージでフロント・サスペンションを破損するというアクシデントにで後退し、代わってエーリック・ピエタリネン(シュコダ・ファビアR5)がリードを手にすることとなった。

 ロヴァンペラは土曜日も5つのステージを制し、前日からのリードを54.0秒にまで広げていたが、SS18パイヤラの中盤で轍のなかの石にヒット、衝撃で彼のファビアR5のサスペンションアッパーマウントが損傷し、ダンパーがボンネットを突き抜けて脱落してしまう。

 彼はステージを走り切ったあと、続行は困難だと発言したが、ロードセクションでコドライバーのヨンネ・ハルトゥネンとともに、スペアのステアリングアームをストラットの代わりにしてラチェット・ストラップによって応急修理を行って続行を決意。閉め忘れたボンネットが跳ね上がったため視界不良の状況で最終ステージのほとんどを走った彼は3分あまりをロスして4位まで後退したが、リタイアという最悪の事態を回避してどうにかサービスまでたどり着いている。

 午後のステージでトラブルに見舞われたシュコダ・モータースポーツのドライバーはロヴァンペラだけではなかった。彼のチームメイト、オーレ・クリスチャン・ヴェイビー(シュコダ・ファビアR5)も同じくパイヤラのステージでクラッシュし、リタイアに追い込まれてしまう。このアクシデントにより、金曜日のコースオフからようやく表彰台のポジションまでリカバリーしてきた彼の懸命な取り組みも報われることなく終わってしまった。

 彼らの不運から恩恵を受けることになったのはフィンランド選手権リーダーのピエタリネンだった。今週末、TGSワールドワイドのファビアR5を駆ってWRC2へのデビューを飾ることになった彼は、午後に2つのステージウィンを獲得すると、後続のヤリ・フットゥネン(ヒュンダイi20 R5)との差を37.1秒に広げている。

 そして暫定表彰台最後のポジションに入ったのはイギリスのガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタR5)だった。パイヤラ・ステージのペースノートの詳細の不備からSS14でリヤダンパーにダメージを負うものの、ロヴァンペラとヴェイビーのさらに深刻なトラブルが手伝って、5位から順位をあげることとなった。

 5位に入ったのはピエル-ルイ・ルベー(ヒュンダイi20 R5)だった。彼は金曜日の時よりもトップに近いペースを掴んでいたが、前日のタイムコントロールへの遅刻に対し50秒のペナルティを課せられていたためロヴァンペラを上回ることはできなかった。

 フランスのニコラ・シアマン(ヒュンダイi20 R5)は6位につけていたものの2回目のカカリスト・ステージでリタイアすることになってしまった。彼はコースオフし、i20のロールゲージがダメージを受けたため、明日のリスタートはしないという。ペースには不満を残しながらもクリーンに走ったベニート・グエラ(シュコダ・ファビアR5)が6位で土曜日をフィニッシュしている。

 金曜日にリタイアしたトヨタGAZOOレーシング・チャレンジプログラムの新井大輝(フォード・フィエスタR5)はトラブルと戦いながらも7位で続いている。また、ヤルッコ・ニカラ/足立さやか(フォード・フィエスタR5)はリスタートした土曜日にはSS15での2番手タイムなど上位のタイムを重ねて10位で完走を目指している。

 フィンランド・フューチャー・ラリースターだったエミル・リンドホルム(シュコダ・ファビアR5)は最初のステージで横転してディッチに落ちてこの日の競技を終えている。シモーネ・テンペスティーニ(シトロエンC3 R5)もクラッシュでリタイアしている。