WRC2022/02/24

ロヴァンペラ、スウェーデンのシェイクダウン最速

(c)Toyota

(c)Hyundai

 2022年世界ラリー選手権第2戦ラリー・スウェーデンのシェイクダウンでトヨタGAZOOレーシングWRTのカッレ・ロヴァンペラ(トヨタGRヤリスRally1)が3分22.4秒のトップタイムをマーク、オイット・タナク(ヒョンデi20 N Rally1)が0.3秒差の2番手タイムで続いている。

 氷点下20度まで冷え込む日が続いたスウェーデン北部のヴェステルボッテン地方だが、木曜日の朝は気温0度という暖かい朝を迎えることになった。シェイクダウンは路肩に大きなスノーバンクをもつ7.59kmのクラベーレ・ステージで朝9時からスタート行われた。小雪が降るなか、ロヴァンペラが一番手のポジションでスタート、雪かきに苦労すると思われたが、彼が叩き出した3分36.9秒のタイムは、7番手のポジションでスタートしたタナクが1.5秒の大差をつけて破るまで暫定トップを維持するなど、好調な走りをみせることになった。

 2回目の走行のころには雪はみぞれへと変わることになり、ロヴァンペラはここではタナクを抜いてトップに立ち、走行が義務づけられる3回目の走行でも自身のタイムを5.1秒も上回り、2番手で続いたタナクに0.3秒差をつけてシェイクダウンのトップをキープすることになった。

「ストレートはとてもポジティブなフィーリングだった」とロヴァンペラは語った。「僕らが先頭だったとはいえ、小雨が降って路面が凍結し、最初の走行からそれほど悪くなかったと思う。全体的にはかなりポジティブな感触だ」

 ロヴァンペラは明日の金曜日のオープニングレグも1番手スタートとなるため、この機会にセットアップを試したと語っている。

「小さなことだけど、どんな感じか試してみたんだ。もちろん、雪のステージではいつも2つ目の走行はトリッキーになるし、明日の2回目には大きなわだちがあるだろうから、そのための妥協点を見つけようとしたんだ」

「明日のステージのいくつかはウェットコンディションになるかもしれない。まだすべてのコンディションがわかっているわけではないが、雨の後に凍結するようなら、僕らにとっては良いことだ」

 順調にスタートしたチームメイトとは異なり、ティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデi20 N Rally1)にとっては波乱のスタートとなってしまった。彼は1回目の走行では4.1km地点でスノーバンクにヒットした後、スタックしてしまい5分あまりも遅れてしまう。「レッキよりも路面の雪が多かったので、ブレーキをかけてすぐにグリップを失い、ワイドになってしまった。スノーバンクに引っかけてスタックしてしまい、コースにマシンを戻すのに時間がかかってしまった」。ヌーヴィルはスノーバンクの扱いには注意が必要であることを確認したが、3回目の走行ではロヴァンペラから0.8秒差、タナクから0.5秒差の3番手タイムにつけることになり、開幕戦のモンテカルロで苦戦したヒョンデ勢にとっては勇気付けられるシェイクダウンとなった。

 勝田貴元(トヨタGRヤリスRally1)も1回目の走行でスノーフィールドへと道を外れて45秒もの遅れを喫し、水温が上昇したためにトレーラーでサービスパークに戻され、長時間修理を待たなければならなかったが、3回目の走行でヌーヴィルから0.4秒遅れの4番手タイムを出している。

 Mスポーツ・フォード勢の最速となったクレイグ・ブリーン(フォード・プーマRally1)も小さなミスで始まることになった。彼は2回目の走行でスノーバンクでスタックしたこともあり、ややペースを上げられなかったが、5回の走行を行い、じわじわとタイムを伸ばすことになり、朝から健闘する走りをみせていたチームメイトのガス・グリーンスミス(フォード・プーマRally1)に0.4秒差をつけて勝田から1.1秒差の5番手タイムでシェイクダウンを終えている。

 グリーンスミスから0.3秒差の7番手にはエルフィン・エヴァンス(トヨタGRヤリスRally1)とオリヴァー・ソルベルグ(ヒョンデi20 N Rally1)が並び、ワールドチャンピオンのセバスチャン・オジエが不在となるスウェーデンで彼の代わりにトヨタでの今季初戦を迎えたエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリスRally1)が0.3秒差の9番手タイムで続いている。

■シェイクダウン・タイム(P1ドライバー)
1 K.ロヴァンペラ(トヨタ) 3m22.4s
2 O.タナク(ヒョンデ) 3m22.7s (+0.3s)
3 T.ヌーヴィル(ヒョンデ) 3m23.2s(+0.8s)
4 勝田貴元(トヨタ) 3m23.6s (+1.2s)
5 C.ブリーン(Mスポーツ・フォード) 3m24.7s (+2.3s)
6 G.グリーンズミス(Mスポーツ・フォード) 3m25.1s (+2.7s)
7 E.エヴァンス (トヨタ) 3m25.4s (+3.0s)
8 O.ソルベルグ(ヒョンデ) 3m25.4s (+3.0s)
9 E.ラッピ(トヨタ) 3m25.7s (+3.3s)
10 A.フールモー(Mスポーツ・フォード) 3m30.7s (+8.3s)