WRC2022/02/25

ロヴァンペラ、不利な走行順を天候が救うか

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTのカッレ・ロヴァンペラは、ラリー・スウェーデンを一番手のポジションで走るという不利な状況を天候が救ってくれるかも知れないと期待している。

 ラリー・モンテカルロで優勝争いを演じて選手権をリードするセバスチャン・ローブとセバスチャン・オジエがスウェーデンを走らない。そのため実質的なリーダーとしてロヴァンペラはスウェーデンの金曜日でコースオープナーを務め、大きなハンデを背負うことになると考えられてきた。

 しかし、木曜日の朝、新雪はなく比較的暖かい気温の中で行われたシェイクダウンでロヴァンペラは1回目の走行で2番手タイムをマーク。走るたびにクリーンな路面になったために速度は上がることになり、彼は2回目の走行では9秒を縮めて暫定トップタイムを獲得、3回目の走行でもさらに5秒を縮めてシェイクダウンの最速タイムを叩きだしている。

 スウェーデンでの一番手スタートは不利な条件であることは、誰もが知っている。しかし、新雪がどんどん降り積もっているのなら最悪だろうが、それがどの程度のタイムロスになるのかは、路面コンディションに大きく左右されることになる。シェイクダウンの路面はけっしてロヴァンペラにもっとも有利だったわけではないが、湿り気をもった雪の路面はロヴァンペラの速さを奪うほどではなかったということだろう。

 そして木曜日の朝方に降っていた雪は雨へと変わり、昼過ぎの気温は3度まで上昇した。このことと、そしてこれからの天候はロヴァンペラにとっては非常に重要だ。日中に融けた雪の路面は−10度まで冷え込む今夜はガチガチに凍結することになり、さらに天気予報は今夜、新雪が降ることはないと伝えている。

 ロヴァンペラは初日のタイムロスについての意見を求められ、道路を最初に走ることでどれだけの違いが出るのかは、今夜の天候に左右されるだろうから予測は難しいと語っている。

「予測するのは難しいね。この雨の後に何が起こるか、気温がマイナスになるかならないか、そしてどの程度になるかに大きく左右される」とロヴァンペラは語った。

 ロヴァンペラはレッキのあとコースの印象について聞かれ、雪が緩み、ラインは柔らかく、わだちが出来ていたと語っている。そのあと雪が降って、それが湿った雪から雨に変わり、さらに凍るようなら、おそらく一番手のポジションはそれほど悪いものではないだろう。

「雨が降って凍結が進むような状況なら、良いこともあると思う」とロヴァンペラは語った。「でも、いくつかはウェットになるかもしれない。それは僕らにとって良いことではない。このようなコンディションでは、1号車でスタートするのは難しいだろう。でも、僕たちはそれを予測することはできない。ただ、天候がどうなるか待ち、何が起こるかを見て、それが本当に僕らにとって良いのか悪いのかを見極める必要がある」

 ラリー・スウェーデンの初日を1番手でスタートして優勝を飾った例はないわけではない。最近では2015年と2016年にセバスチャン・オジエが達成している。2015年は最終ステージでリーダーのアンドレアス・ミケルセンがスピンして逆転でオジエが勝利し、雪不足のなかでキャンセルの恐れもあった2016年はスタート目前で降った雪をものともせず、オジエは2日間(!)を1番手でスタートしながら優勝を飾っている。