WRC2025/06/29

ロヴァンペラ、駆動系の問題とブレーキのミス

(c)Kalle Rovanpera

 カッレ・ロヴァンペラは、アクロポリス・ラリー・ギリシャでリタイアとなったのは駆動系のトラブルが原因だったと認め、ブレーキング時にすでに問題が起きていた可能性があると語った。
 
 ロヴァンペラはアクロポリス・ラリーの土曜日を勝田貴元の3.8秒後方の7位で迎えたが、まったくペースを上げることができずにティエリー・ヌーヴィルも抜かれてしまい8位にポジションを落とすことになった。ミッドデイサービスに戻った彼は、絶望的な表情を浮かべ、「もっと速く走れるようなフィーリングがまったくない」と打ち明けていたが、それでも午後のループでの改善を誓っていた。

 だが、SS11パヴリアー二の13.3km地点の右コーナーでブレーキした瞬間に彼のGRヤリスRally1はまるでスピンするようにリヤをスライド、リヤをディッチに落としてスタックしてしまった。最終的には観客の助けを借りてマシンは脱出してたものの、ペースが上がらず18.1km地点でマシンを止めることになった。

 サービスパークに戻ってきたロヴァンペラは、Rally.TVのインタビューでリタイアとなった経緯を説明しているが、その原因ははっきりしていない。

「ブレーキングしたときに狭い道で少しだけコースアウトしてしまい、スタックしてしまった。ふたたび走り続けることはできたが、デファレンシャルのどこかかドライブシャフトか何かが壊れてしまって動けなくなってしまった」とロヴァンペラは説明した。

 路肩でスタックしたときにマシンはフロアがひっかかってしまい身動きできない状態ではあったが、コースアウトした時にはすでにドライブシャフトが壊れていたと思うと彼はふりかえっている。

「ビデオを見るとブレーキングが少し遅すぎたようにも見えたが、どういうわけか思ったようにマシンを止めることができなかったし、ドライブシャフトはブレーキング時に壊れてしまったのだと思う。コースアウトした時には何もぶつからなかったわけではない。コースに戻って進もうとしても、今度は別の部分が壊れてしまい、走れなくなってしまったんだ」

 ロヴァンペラとコドライバーのヨンネ・ハルトゥネンは、マシンを止めたあと森の中で何時間も待たされ、サービスパークに戻ったのは夕方遅くになってからだった。

「3時間も埃まみれでそこに座って待っていたので、決して理想的な状況ではなかったね」とロバンペラは語った。

「もちろん、大きな失望だが、少なくともそれほど大きなポイントを争っていたわけでない。そういう意味ではそれほど残念ではありませんが、こういうことはいつもつきまとうものだ」

 32位で日曜日をリスタートするロヴァンペラにとって、スーパーサンデーとパワーステージでの最大10ポイントのボーナスポイントが残されたチャンスとなるが、彼は最初にコースに出るドライバーの一人となるため、その可能性は限られている。

「出走順位の関係でスーパーサンデーのポイント獲得は難しいかもしれないが、パワーステージで何かを得られるように頑張りたい」