RallyCross2018/05/14

ローブ、ベルギーRXで2年ぶり優勝

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 FIA世界ラリークロス選手権第3戦ベルギーRXは5月13日に最終日を迎え、チーム・プジョー・トタルのセバスチャン・ローブ(プジョー208 WRX)が今季初優勝を飾り、ポイントランキングでも2位へと浮上することになった。

 ベルギーRXはセミファイナル・レース1を制した選手権リーダーのヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロR)がポールポジション、ローブがフロントローにマシンを並べることになった。しかし、朝の雨が残って滑りやすくなったグリッドではセミファイナルの2レースともにポールポジションのドライバーがスタートに失敗しており、ファイナルもドラマが起きることになった。

 素晴らしいスタートを切ったローブに対して、なんとクリストファーソンはスタートに失敗、1コーナーにトップで進入したローブのあとに続こうとしたが、すでに行き場を失ってイン側のバリアに接触、あわや横転すれずれでチームメイトのペター・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロR)に激しくヒットして2台はもつれるようにワイドになってしまう。この混乱で3列目のグリッドからスタートしたティミー・ハンセン(プジョー208 WRX)が1コーナーで2台のフォルクスワーゲンをパスして2番手で浮上することになる。

 ハンセンはセミファイナル2レースをポールポジションからスタートしたもののスタートに失敗した一人だ。彼は接触のあとスピンしたため5番手まで後退したが、そこから激しい追い上げをみせて3番手でゴール。ファイナルは最後尾のグリッドからスタートしていたが、クリーンなポジションから運良くローブに続くことになり、チーム・プジョー・トタルがレース序盤で1-2態勢を築くことになった。

 いっぽう、チームメイトに接触されたソルベルグはクリストファーソンに続いて4番手で続いていたが、1周目でジョーカーラップを選択、後方からベストタイムを刻んで猛追を開始することになる。

 1-2態勢でレースを引っ張った2台のプジョーはともに4ラップ目でジョーカーラップ、ローブが暫定首位をキープするものの、2ラップ目にバリアに接触してややタイムを落としたハンセンはソルベルグに並ばれて2位を譲ることになってしまう。

 ソルベルグはファイナルラップでもこのレースの最速ラップを刻んでローブを猛烈にプッシュしたが0.44秒及ばず、ローブが2016年のラトビアRX以来となる2年ぶりの優勝を飾ることになった。

 2位にはソルベルグ、3位にはハンセンが続いて、プジョーはダブルポディウムを達成することになった。

 4位で続いたのは、EKSアウディスポーツのマティアス・エクストローム(アウディS1 EKS RXクワトロ)。彼はQ2とQ4を制してトップクオリファイを成功させたものの、ポールポジションで迎えたセミファイナル1レースのスタートで彼もまた失敗してしまいファイナルも3列目のグリッドからスタートだったため、ポディウムには届かなかったが、最終ラップのジョーカーラップをうまくまとめてわずか0.1秒差でクリストファーソンを抑えて4位でフィニッシュすることになった。

 クリストファーソンは5位に終わり、6位にはEKSアウディスポーツのアンドレアス・バックルド(アウディS1 EKS RXクワトロ)が続くことになった。彼はセミファイナルでジャンプスタートによりダブルジョーカーラップのペナルティを受けながらも2番手で勝ち上がり、ファイナルの2列目グリッドからスタートしていた。

 GRXのヒュンダイi20は2台とも速さをみせてセミファイナルに進出することになった。ニクラス・グロンホルムはウェットとなったQ3で3番手タイムと速さをみせたあと、Q4でも素晴らしいスタートを切ったが、1コーナーでクリストファーソンに接触されてコースオフしながら予選11位となったが、セミファイナルでは惜しくも4番手。また、ティムール・ティメルジャーノフも予選8位につけたが、スタート直後のティミー・ハンセンのスピンに巻き込まれてファイナルに進むことはできなかった。

 スポットで地元戦に出場した元WRCドライバーのフランソワ・デュヴァル(アウディS1)は予選13番手に終わり、惜しくもセミファイナルに進むことができなかった。

 世界ラリークロス選手権の次戦は5月25〜27日にシルバーストンで行われる英国ラウンドとなる。