Raid2018/01/13

ローブ、最後のダカールをリタイアで終える

(c)RedBull

 プジョーのセバスチャン・ローブは、コドライバーのダニエル・エレナが負傷を負ったため、最後のダカール・ラリー挑戦をリタイアで終えることになった。

 3度目となるダカール・ラリーのスタートを前にローブは、2018年を最後にプジョーの撤退が決定している状況で、今でなければ勝利のチャンスは二度とないと語っていた。

 ローブは過去2度のダカール挑戦において、いずれもイベントをリードするという経験をしているが、今年に関してはスタート初日の短いオープニング・ステージでブレーキ・トラブルに見舞われ、後方から追いかける展開となっていた。

 ステージ4を制した後、2位まで順位を上げたローブだったが、彼のラリーは水曜日、砂丘のクレストに引っ掛かったクルマを避けようとした際に穴の中にランディングしてしまった時に終わりを迎えることになった。

 彼のプジョー3008DKRマキシはトラックに牽引されてクレバスから引っ張り出されることになったが、この救出劇に3時間近くを要してしまい、胸骨と尾骨に激しい痛みをともなっていたというエレナがアレキパ・ビヴァークで治療を受けるために、彼らはリタイアすることになった。

「うんざりするスタートだった。砂は非常にルースで、クルマはが砂丘を上ってくれなくて、僕たちも間もなくスタックしてしまい20分ほどかかってしまった」とローブは語った。

「レースを再開すると、僕たちは他のみんなの轍を追っていくことができたのでこれですごく助かった。しかし、あるところまで来ると、クレストのところにストップしたクルマがあって、登る時にストップしないようにするために、僕はそのまま彼を避けて行った。ところが、クレスト越えたすぐのところに僕たちには見えていなかった穴があった。そこにかなりハードにヒットしてしまったんだ」

「僕たちには引っ張り上げてくれるトラックを待つ以外に何もできることはなかったよ」

「衝撃でダニエルは相当な痛みを負っていた。その痛みが酷くならないように僕たちはステージを本当にゆっくり走ってフィニッシュした。ダニエルの負傷を受けてリタイアする他選択肢はなかった」

 これが彼にとって本当にダカールに勝つための最後のチャンスだったと感じているのかと聞かれ、ローブは「たぶん、今の時点ではここに戻ってくる予定はないからね」と答えている。

「プジョーとは他の分野で続けていくよ、ラリークロスでね。だから勝てるチャンスはもうないということだ」

 プジョーのドライバーとしてこの第5ステージで苦しんだのはローブだけではなく、カルロス・サインツも、早い段階でスタックしたことでチームメイトでラリーをリードするステファン・ペテランセルに対して18分も遅れることとなった。

 ペテランセルによると、自分自身がスタックしてしまうかもしれないという恐れもあり、チームメイトたちを助けるためにストップすることはできなかったという。

「ここの砂丘がラリーをスタートしてから最も困難なところだった。セブとカルロスはそのまま砂地にスタックしてしまった。彼らを助けようというのは問題外だった、僕たちは近寄ることもできなかったからね。ストップしようものならそのままずっとハマったままだっただろう!」

 ダカールは11日にペルーのアレキパからボリビアのラパスに至るステージ6が行われ、サインツが今大会初のステージ勝利を飾ったものの、ペテランセルのリードは27分10秒という大差となっている。

 12日は休息日となり、ドライバーたちはこのあとのボリビアの高地で行われるステージにむけて身体を慣らし、13日に有名なウユニ湖を目指すステージ7で再開することになる。