Raid2021/03/17

ローブとエレナ、23年にわたるコンビに幕

(c)RedBull Content Pool

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 セバスチャン・ローブは、プロドライブチームの要請に応じて、友人でもあるダニエル・エレナとの23年にわたるコンビを解消し、次のダカール・ラリーにはコドライバーを変更して臨む。

 ローブとエレナは今年、プロドライブが開発した新しいBRXハンターでダカールへの5度目の挑戦を行ったが、いくつもトラブルに見舞われて苦しい戦いを強いられている。

 ローブの最初の大きな遅れは第5ステージで砂漠で道に迷ってしまい、トップ勢との差が1時間近く開いてしまったことだった。しかし、その後も第6ステージではサスペンションアームが故障した際には、スペアパーツは誤った部品だったために8時間も遅れたことで優勝を断念、チームのアシストに回ったあともベアリングの故障や相次ぐパンクに苦戦、最後はスペアタイヤを失ってリタイアを決意することになった。

 エレナは、Facebookのコラムのなかで、火曜日の昼前にローブからの電話でその決定を知らされたと明かすとともに、今年のダカールでの不振を自身のナビゲーションミスにすり替えたプロドライブを痛烈に批難している。

「セブは火曜日のお昼前に電話して、別のナビゲーターと続けると言ってきた。
プロドライブチームが僕はナビゲーションエラーが多すぎ、ダカールに適してないと判断したためだというんだ」

「エレナがローブの時間を無駄にしていると言う前に、僕の話を聞いてほしい僕もダメだったかもしれないが、BRX-プロドライブもガラクタだった。あのマシンは勝つために作られていない。僕らはダカールを勝ち取れる頑丈なマシンを作るために何をすべきか、何をすべきでないかをビデオで説明した。しかし、サウジアラビアに到着した時に、チームが僕やセブや、あるいはナニ・ローマからのアドバイスを何一つ聞いていなかったことがはっきりした。プロドライブは世界最高のチームだが、彼らが最後に勝ったのは2003年のソルベルグのときだ」

「たしかに今年、僕はいくつかのナビゲーションミスを犯したが、それは誰もが同じだった。しかし、チームは僕を疑わせ、23年も続いた僕らの関係を引き離したのだ。このことは勇気を出して言うよ。しかし、セブ、僕はセブの決定には何の反対もない。僕らはいつも友人だからだ」

 ローブは、エレナとのコンビ解消について、ダカールでの勝利を追い求めるためには何か他のことを試すのが良いかもしれないという結論に達したと語っている

「僕らは23年間一緒に過ごし、ダニエルは友人であるため、それは簡単な決断ではなく、簡単な電話ではなかった」とローブは語った。

「ダニエルについては周囲からの意見がたくさんあった。プロドライブと話し合い、前回のダカールでのすべての結果を確認した結果、別のことを試す価値があると結論付けた。僕は47歳で、ダカールに勝つために何年も残っていないので、すべての可能性のあるチャンスを利用したいと思った。これが正しい決定であったかどうかは将来、はっきりするだろう。しかし、とにかく、この決定でダニエルとの僕の関係が変わることはない」

 ローブはまだ新しいナビゲーターが誰になるのか明らかにしていない。