Historic2025/08/07

佐藤琢磨がモンテカルロ・ヒストリックに参戦

(c)Honda

 レーシングドライバーの佐藤琢磨が2026年2月に行われるラリー・モンテカルロ・ヒストリックに初代CIVIC RSを駆って出場することが明らかとなった。

 今回のラリー・モンテカルロ・ヒストリックへのチャレンジは、学校法人ホンダ学園が、2026年に創立50周年を迎えることを記念して行うチャレンジの第一弾として企画したものだ。

 本チャレンジには、ホンダ学園の学生約30名が有志で参画。参戦車両である1975年式の初代CIVIC RS 2台のレストアから整備、部品調達、さらには欧州現地での運営支援やナビゲーター対応までを担うという。また、佐藤琢磨はアンバサダー兼ドライバーとしてチームに加わり、学生たちと共にこの歴史あるラリーに挑戦する。

 佐藤は、2001年に英国F3選手権チャンピオンに輝き、マカオGP優勝、翌2002年にジョーダン・ホンダよりF1デビュー、2003年にはB・A・R ホンダF1でF1アメリカGPで3位表彰台を飾っている。

 2010年からは米国に拠点を移してインディカー・シリーズに参戦、2017年にはインディ500で初優勝、2020年のインディ500では自身2度目となる優勝を飾っている。また、2025年のインディ500では予選で日本人過去最高位となる2位を獲得、決勝では2番グリッドからスタートして優勝を争ったが、トラブルなどで9位に終わっている。

 ホンダ学園は1976年、Honda創業者であり、初代校長を務めた本田宗一郎の「技術だけでなく、世界に歓迎される人間を作りたい」という志のもとに創設され、“技術力と人間力”を兼ね備えた人材の育成を目指してきた。現在はホンダ テクニカル カレッジ関東・関西の2拠点体制のもと、50年にわたり実践を重視した教育と「挑戦する姿勢」を軸に人づくりに取り組んでいる。

 ホンダ学園の中嶋歩常務理事は次のようにコメントしている。

「ホンダ学園が創立50周年を迎えるにあたり、学生たちが佐藤琢磨選手と共に『ラリー・モンテカルロ・ヒストリック』へ挑戦できることを大変うれしく思います。日々、学生たちが取り組んでいるヒストリックカーのレストアは、マニュアルも部品もない“答えのない実習”であり、まさに逆境への挑戦です。仲間と共に課題を乗り越え、技術者として、そして人として大きく成長してくれることを願っています」
 
 佐藤琢磨は次のようにコメントしている。

「ホンダ学園の皆さんとはこれまでも多くの交流を重ねてきましたが、今回は50周年を記念したプロジェクトを通じて、共に世界に挑戦できることを大変光栄に思います。学生の皆さんが『挑戦のスピリット』と『あきらめない姿勢』を存分に発揮し、仲間と共に成長していく姿を見るのが、今からとても楽しみです。私自身、現役でINDY500に参戦を続ける一方で、若手ドライバーの育成にも力を入れていますが、今回のプロジェクトでは、世界で活躍できるエンジニアの育成にもつながるのではないかと、大いに期待しています。この大きな挑戦を、学生の皆さんと共に楽しみながら、全力で取り組んでいきたいと思います」

第28回ラリー・モンテカルロ・ヒストリック開催概要(予定)
主催: モナコ自動車クラブ(ACM)
開催日時・場所: 2026年2月1日(日)〜2月7日(土)※予定
モナコを起点に、南仏アルプス山岳地帯を中心とする複数都市(フランス、イタリアなど)
参加車両条件: 1911〜1986年1月までのラリー・モンテカルロに参加実績のある車種。または同等仕様のヒストリックカー(Honda車では初代CIVICが唯一該当)、規定のオリジナリティーと整備状態を保持していること