WRC2022/02/27

優勝争いのエヴァンスに10秒ペナルティ

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTのエルフィン・エヴァンスは、ラリー・スウェーデンの土曜日に行われた最終ステージでスノーバンクを乗り越えて正しいコースに戻らなかったとして10秒のタイムペナルティを課された。

 エヴァンスは、スウェーデンをリードするカッレ・ロヴァンペラから5.7秒遅れで土曜日の最終ステージのウーメオをスタート、チームメイトとの差を縮めるべくぎりぎりの走りで攻め続けたが、アリーナセクションのタイトになった最終コーナーでワイドになってしまう。彼はスノーバンクを越えてしまい、コース外の駐車場へとオフしてしまったが、幸いにもフライングフィニッシュの表示ボードをなぎ倒しながらタイミングビームを通過したため2番手タイムが記録され、ロヴァンペラから8.3秒遅れでこの日を終えたかに見えた。

 だが、エヴァンスはフライングフィニッシュからストップラインまでロードブックで決められたルートを走行しなかったことから、スチュワードはエヴァンスとともにコドライバーのスコット・マーティン、そしてトヨタのスポーツディレクターであるカイ・リンドストロームを召還、事情を聞いている。

 クルーは、スノーバンクを乗り越えてしまったためバックでコースに戻ることは不可能であり、スノーバンクを乗り越えての再走行が安全ではないと考えたため、できるだけ早い機会に規定のルートに復帰するために迂回したと説明した。

 スチュワードは、エヴァンスが本来、マシンを止めてはならないゾーンである黄色の警告標識と停止標識の間でストップしたことについては「アクシデントによるものではなく意図したものではなかった」としながらも、「最終コーナーに高速で進入したことによりちょうどコーナー出口に位置していたフィニッシュラインを通過することができたため、クルーはタイムアドバンテージを得ることができた」と指摘、WRC競技規則第19条2項の「定められた道路からの逸脱」規定への違反にあたるため10秒のタイムペナルティを課すことを決定したと説明している。

 このペナルティにより、ロヴァンペラのアドバンテージは8.3秒から18.3秒に拡大し、エヴァンスが逆転優勝するチャンスは厳しくなり、さらに3位につけるティエリー・ヌーヴィルとの差は3.4秒という僅差になっている。