JAPAN2016/04/11

全日本ラリー開幕、勝田範彦が唐津11年連続優勝

(c)Takeshi Sakuma

(c)Takeshi Sakuma

 2016年全日本ラリー選手権開幕戦ツール・ド・九州2016 in 唐津 が4月9〜10日に行われ、勝田範彦/石田裕一(スバル WRX STI)が開幕戦11連勝を飾ることになった。

 佐賀県唐津市周辺の14SS/67.74kmのターマックステージで争われるツール・ド・九州。勝田は初日のオープニングステージからベストタイムで発進、そのまま4連続ベストタイムを奪い、早くも後続に22.6秒差をつけてラリーの主導権を握る。しかし、午後になると福永 修/竹原静香(三菱ランサーエボリューションX)がペースをアップ、彼はSS4で2位に浮上するや、そのあと3連続ベストタイムを奪い、初日を勝田の17.0秒後方で終えることになる。

 福永の快進撃は二日目も続くかにみえたが、トランスミッションに問題を抱えてペースが上がらない。勝田は勝負が決したことを確信したようにタイヤをセーブする走りに切り替え、最終的に後続に31秒という大差を築いて開幕戦11連覇を飾ることになった。

 いっぽう、福永のトラブルで俄然熱気を帯びてきたのは2位争いだ。初日午後のループで3つのステージで2番手タイムを獲得して3位に浮上した鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)がSS10でトップタイムを奪い、福永のわずか3.4秒後方に肉薄する。鎌田はSS13で2番手タイムを叩きだし、土壇場で福永を捉えて2位に浮上、最終ステージでもトップタイムを奪って開幕戦を2位でフィニッシュ、福永は11秒差で3位表彰台を獲得することになった。

 奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションX)と新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)のヨコハマ勢は新規定のタイヤが間に合わなかったため市販タイヤで終始苦戦を強いられることになり、開幕戦をそれぞれ4位と5位で終えることになった。

 参戦3シーズン目を迎える眞貝知志/安藤裕一のアバルト500ラリーR3Tに加え、新たに柳澤宏至/中原祥雅のプジョー208 R2や関根正人/小坂典嵩のシトロエンDS3 R3Tの参戦で話題を呼んでいるJN-5クラスは初日、眞貝が8SSすべてでトップタイムをマーク、セットアップが決まっていない後続に68秒の差をつけて、熟成度の高さをみせつけたが、最終日のオープニングステージでターボのブーストが上がらないトラブルに見舞われてしまう。それでも眞貝は少しずつタイムを落としたものの、追いすがる柳澤を突き放して8.7秒差で逃げ切って優勝している。

 また、関根にとっては不運なエンディングが待っていた。彼はSS11のトップタイムで柳澤に0.9秒差まで迫ったものの、ローンチコントロールのトラブルに見舞われてスタートで2度にわたってエンスト、この結果彼は3位でフィニッシュすることになった。さらに彼はラリー後の車検でタイヤの溝が規定の深さで残ってなかったことから不運な失格となってしまった。

 JN-4クラスは石川昌平/石川恭啓(トヨタ86)、JN-3クラスは天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツRS)、JN-2クラスは小濱勇希/馬場雄一(スバルBRZ)、またJN-1クラスは三苫和義/引間知広(ホンダ・フィット)がそれぞれ優勝を飾っている。

 全日本ラリー選手権の次戦は4月29日〜5月1日に開催される久万高原ラリーとなっている。