WRC2018/02/17

勝田、シュコダ・ワークスを抑えて衝撃の首位快走

(c)TommiMakinenRacing

 ラリー・スウェーデンのFIA WRC2選手権カテゴリーは、トヨタGAZOOレーシング・チャレンジプログラムで欧州遠征中の勝田貴元(フォード・フィエスタR5)が現役チャンピオンのポントゥス・ティデマンド(シュコダ・ファビアR5)を抑えてのトップに立つという衝撃の展開となっている。

 勝田は、木曜日の夜にカールスタッドで行われたスーパーSSこそ9番手タイムにとどまったが、国境を越えてノルウェーの森に舞台を移した金曜日の朝、衝撃のベストタイムでラリーをリードすることになった。2.4秒差の2位にはシュコダ・ワークスに抜擢された期待の若手、オーレ・クリスチャン・ヴェイビー(シュコダ・ファビアR5)が続き、ティデマンドは7番手と出遅れることになる。

「このステージは本当に楽しむことができた。自分のフィーリングがかなり良かった。ノーミスだった」と語った勝田は、完全に波に乗ったように、続くSS3でもヤリ・フットゥネン(ヒュンダイi20 R5)と並ぶトップタイムを刻み、ヴェイビーとの差を10.1秒へと広げてみせる。

 だが、勝田はSS4でスノーバンクに接触してスピンしたために17秒をロス、首位はどうにかキープしたもののヴェイビーが1.1秒差まで迫って朝のループを終えることになった。

 いっぽう、優勝の本命に挙げられていたティデマンドは、R5マシンのトップで走るためにWRカー勢とトレッドが合わないために後続のマシンのためにラインの雪かきを行うことになり、朝のループでは苦戦することになってしまった。それでも彼はSS4ではベストタイムを奪い、ヴェイビーの1.5秒後方まで迫ることになり、首位の勝田にプレッシャーをかけることになる。

 だが、勝田は午後のループではペースを落とすどころか、シュコダ・ワークスの2台のプレッシャーをはねのけるようにSS5でベストタイムを奪取、さらに2.7秒差の2位へと浮上してきたティデマンドを突き放すかのようにSS6でも連続してベストタイムを奪い、リードを11.9秒へと広げてみせる。

 SS7ではティデマンドが6.1秒も縮めて5.8秒差に迫り、さらに最終ステージではベストタイムを奪ってみせたが勝田を捕らえることは叶わず。勝田が4秒差でDAY1の首位を守ることになった。

「とてもいい一日になったね。いくつかミスもあったが、そのほかはうまくいったよ。明日も落ち着いて道路にとどまる走りをする必要がある。もっと学ばなければならないが、いい結果もほしいんだ」と勝田は語っている。

 ヴェイビーは、ティデマンドから3.2秒遅れの3位、ヒュンダイ育成ドライバーのフットゥネンがさらに5.4秒差の4位で続いている。

 新井大輝(フォード・フィエスタR5)はSS3ではジャンクションをミスしながら3位につけるなど速さをみせたが、オフしてスノーバンクにヒットしたほかスロットルの不調にも見舞われて、リセットするためにマシンを2度にわたって止めなければならず51秒遅れの8位と後退してる。