2026年世界ラリー選手権(WRC)開幕戦のラリー・モンテカルロのシェイクダウンが21日水曜日の昼過ぎから特設ステージのギャップ(4.25km)で行われ、トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームの勝田貴元(トヨタGRヤリスRally1)が最速タイムを記録、幸先のいいシーズンのスタートを切ることになった。トヨタはシェイクダウンでトップ5を独占している。
ラリー・モンテカルロのシェイクダウンは、サービスパークが置かれるギャップ近郊のいつものダイナミックな景観で知られるラ・ガルデのステージを踏襲しつつも、後半部分は新しいセクションとなっている。
週末には雨や雪が降る可能性があると天気予報は伝えているものの、シェイクダウンが行われた水曜日は青空が広がり、路面もほぼドライコンディションだ。しかし、とくに新しい後半のツイスティなセクションはカットによって多くのダートや濡れたグラベルがかきだされて、走るたびにコンディションは悪化してドライバーたちを苦しめた。
このコンディションのなか、勝田が1回目の走行で叩き出した2分31秒8のタイムはセッションを通して破られることはなかった。
「新シーズン、フレッシュな気持ちで、結果を出せるよう全力を尽くします」と勝田は語った。「今年は僕にとって大きな節目の年なので、昨年よりも少しだけ賢く、あらゆることを試してみます。マシンには満足していますし、自信も持てています」
勝田から1.3秒遅れの2番手タイムにはセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリスRally1)が続くことになった。オジエは1回目の走行では勝田から4.3秒遅れの5番手タイムとなっていたが、ほぼすべてのドライバーがハンコックのスーパーソフト4本を選んでシェイクダウンに向かうなか、彼はスーパーソフト2本とスタッドのないスノータイヤ2本をクロスに装着してステージに臨んでいたためだ。彼はプレイベントテストでは雪のコンディションでの走行に限られていたため、ドライのコンディションでウィンタータイヤを試す機会がなかったため、ここでフィーリングを確かめたかったのだろう。
「今日のような晴れの天気は今週最後になるかもしれない。これから難しいラリーになるでしょうから、天候がどうなるか見守りたいと思う。少なくともマシンは素晴らしい仕上がりだ」とオジエは語っている。
ウィンタータイヤをシェイクダウンで試したのはオジエだけではない。ヒョンデのティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデi20 N Rally1)とアドリアン・フールモー(ヒョンデi20 N Rally1)はなんとスタッド付き(!)のスノータイヤを4本装着してステージに向かっており、ヌーヴィルは1回目の走行では勝田から13.3秒もの遅れを喫したあと、2回目の走行ではバンクに右フロントタイヤを落としてサスペンションを破損して走行を断念している。また、フールモーも9.8秒遅れの9番手タイムでシェイクダウンを終えることになった。
「今のところコンディションはベストとは言えない。非常に厳しいラリーになるだろうし、天候がどうなるか誰にも分からない。とにかくスタッドレスタイヤの感触を掴みたかったんだ。とにかく感触を掴むことが大事だった」とヌーヴィルは1回目の走行のあと語っていた。
ヒョンデ勢もプレテストが大雪に見舞われ、スケジュールを変更したものの、二人ともドライコンディションでの最終テストを行うことができなかったため、ここではあえてトリッキーなタイヤ選択での走行経験を選んだものと見られる。ヒョンデにとっては理想的なスタートとはならなかったが、マニュファクチャラーズチャンピオンのトヨタにとっては、シェイクダウンでトップ5を独占、開幕戦に向けていいスタートを切ったように見える。
オジエから1.3秒遅れの3番手タイムにはトヨタから初のフルシーズンに臨むオリヴァー・ソルベルグ(トヨタGRヤリスRally1)、エルフィン・エヴァンス(トヨタGRヤリスRally1)はさらに0.6秒遅れの4番手タイムを記録、サミ・パヤリ(トヨタGRヤリスRally1)もエヴァンスからはわずか0.1秒遅れの5番手タイムで続いている。
パヤリから1.7秒差の6番手にはMスポーツ・フォード勢では最速のジョシュ・マクアリーン(フォード・プーマRally1)が続き、新しいチームメイトのジョン・アームストロング(フォード・プーマRally1)がRally1デビューながら0.5秒差の7番手で続いている。さらに0.6秒差の8番手には、グレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマRally1)がつけることになった。
いまのところミュンスターのRally1カーでの参戦についてはモンテカルロしか決まってないようだが、ダカール・ラリーへの参戦もあったため、ラリーに向けた準備は行うことができなかった。それでも昨年ここでキャリア初のベストタイムを奪っているだけに、「ただ楽しみたいし、ベストを尽くしたい」と語っている。「もちろん、テストがあればもっと理想的だっただろう。調整すべき点もいくつかあるが、ここに来て楽しんでいるだけで嬉しいよ」
ヒョンデのファクトリードライバーとして8年ぶりにWRCのトップカテゴリーに帰ってきたヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 N Rally1)は、シェイクダウンの1回目の走行ではブレーキングゾーンのグラベルでタイヤをロックさせて、橋の欄干に軽く接触するというアクシデントがあったものの、何とか切り抜けて10番手タイムを記録している。「厳しいラリーになるだろう。間違いなく厳しいコンディションになりそうだが、チームのためにも最善を尽くすだけだ」とパッドンは緊張した表情でステージエンドのインタビューに答えていた。
ラリー・モンテカルロは明日の木曜日、14時からモナコ湾のアルベール1世埠頭で行われるセレモニアルスタートで開幕、アルプ・マリティーム県とアルプ・ド・オート・プロヴァンス県で開催される3ステージが行われる予定だ。