トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームの勝田貴元は今年もふたたびラリー・スウェーデンの優勝争いにからんでいる。初勝利への期待は高まるが、彼はこれまでのところまだプッシュはしていているわけではなくクリーンなアプローチで走っていると冷静に語っている。
勝田は金曜日の朝、スペアタイヤを2本搭載するという安全策にもかかわらず、トップから8.4秒遅れの4位でミッドデイサービスを迎えることになった。
勝田は午後の最初のステージのビグジリユムでベストタイムを奪って一時的にラリーをリードしたが、チームメイトでラリーリーダーのエルフィン・エヴァンスにわずか0.6秒差の2位で1日を終えている。
トップ争いは依然として非常に熾烈で、勝田の1.9秒後方の3位にはオイット・タナクが続くほか、5位のティエリー・ヌーヴィルさえ10秒と離れていない状況にある。
勝田は一年前もエサペッカ・ラッピと激しいトップ争いを演じたあと、土曜日のステージを3.2秒遅れの2位でスタートしたが、スノーバンクにクラッシュし、優勝争いのチャンスを逃すことになった。
勝田は昨年の失望を繰り返さないようにしているのだろう、素晴らしいペースをみせた金曜日はクリーンなドライブに集中していたとふりかえっている。
「僕たちは金曜日、無理して攻めなくてもタイムは出ていました。とても楽しんでいますし、これまでのところ順調ですが、まだ道のりは長いです」と勝田はRally.TVのインタビューで語った。
「現時点ではトップ5は非常に拮抗しており、1つのミスが大きな損失につながる可能性があるため、同じやり方を続け、土曜日もクリーンな1日を過ごせるように努めます。スタートポジションはもっと条件が同じになるはずで、コンディションも良くなるはずですから、楽しみにしています」
勝田のチームメイトであるカッレ・ロヴァンペラは、金曜日を通してハンコックの新しいスタッドタイヤに苦戦したが、そのタイヤは勝田のドライビングスタイルには合っているようだった。
「午後はタイヤをローテーションするなどもっとうまくできました。午後に満足できなかったのは、ステージでのタイヤの使い方だけでした。もっとうまくできたはずです」と勝田は語っている。
「明日も同じようにクリーンな走りを続けるつもりです。このままの調子でいくようにして、プッシュする必要があるかどうか見てみよう」
ラリー・スウェーデンは土曜日、7SS/97.04kmが予定されている。