WRC2025/11/02

勝田、勝利のために「すべてを出し尽くす」

(c)Toyota

 
 ラリー・ジャパンではWRCタイトルをめぐる熾烈な戦いに注目が集まるだろうが、初勝利を掴むためにすべてを出し切る覚悟で臨む勝田貴元からも目が離せない。

 選手権争いにおいて、トヨタのエルフィン・エヴァンス、セバスチャン・オジエ、カッレ・ロヴァンペラの3人の差は、現在わずか13ポイント以内に収まっている。その一方、勝田は選手権を争うチームメイトたち以上に日本のターマック路でWRC初優勝を果たしたいという強い思いを抱いていると言える。多くの日本のファンが熱い声援を送る母国でのラリー以上に初勝利にふさわしい舞台はないだろう。
 
 勝田のラリー・ジャパンのこれまでの最高成績は、2022年の3位だ。2023年はライバルたちよりも多くのステージ優勝を果たし、10回のベストタイムを記録したものの、どしゃぶりとなった金曜日のコースオフでタイムを失い5位に終わった。昨年は序盤のパンクから巻き返して4位でフィニッシュしている。
 
 勝田が日本のナローで難しいターマックステージで勝利できる速さを持っていることはすでに証明済みであり、勝田は勝利への挑戦をしっかりと見据えている。

「ジャパンは僕にとってもチームにとっても非常に重要なラリーです。同時に、チームメイトの3人がチャンピオン争いをしています。全員が全力を出してくるでしょうから、間違いなく非常に厳しい戦いになるでしょう」と勝田は語った。

「当然、自分にできるすべてを出し切るつもりです。何が起こるか全く分かりませんが、最初から最後まで全力で戦うつもりです。そうでなければ、日本で望む結果は得られないでしょう」

「目標は、これまでで最高の結果を出すことです。僕はまだWRCで優勝したことがないので、もし日本でそれが達成できたら、特別で素晴らしいことです。それが僕の目標ですし、いつも通り、非常に厳しい戦いになることは分かっていますが、できる限りのことをしたいと思っています。これが今の僕の気持ちです」
 
 勝田はセントラル・ヨーロッパ・ラリーで4位を獲得し、母国ラウンドを前に弾みをつけた。

「とてもクリーンで、危ない場面もありませんでした。非常に安定していたと思います」と勝田は振り返った。

「クリーンに走れた良いラリーでした。もちろん表彰台を狙っていましたが、チェコはトリッキーなコンディションでした。スピードを完全に落としたわけではありませんが、残念ながらわずかにタイムを失ってしまいました。コンディションが安定しているところでは自信が持てたし、タイムも良かったです」

「日本はセントラル・ヨーロッパとは異なっています。勝ちたいし、全力を尽くしたい。そのためにはリスクも取るつもりです。どうなるか見てみたいと思います。スマートに戦わないといけませんが、すべてを出し尽くすつもりです」