WRC2018/12/19

勝田、3月にフィンランドでヤリスWRCデビューへ

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングは、勝田貴元が来季の世界ラリー選手権の12戦にフォード・フィエスタR5で参戦するとともにフィンランド選手権2戦にトヨタ・ヤリスWRCで参戦する活動概要を発表した。

 2015年に開始したトヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムは、日本人WRCドライバーの誕生を目標にトレーニングをさらに強化、育成ドライバーの勝田はR5マシンで世界ラリー選手権開幕戦ラリー・モンテカルロからシーズンをスタート、メキシコをスキップしたあと第13戦のラリー・デ・エスパーニャまでシーズンを追いかけるほか、FIA WRC2選手権については、スウェーデンからノミネートすることを計画している。

 さらに勝田は、3月1〜2日にフィンランド選手権第3戦としてスノーイベントとして行われるSMイタ・ラリーにおいてヤリスWRCでデビューすることが計画されており、さらに5月24〜25日の同選手権第4戦SMリーヒマキ・ラリーではヤリスWRCで初めてのグラベル・ラリーに挑むことになる。

 また、勝田の来季のコドライバーは、これまで2シーズンをともに戦ってきたマルコ・サルミネンから、2016年にもコンビを組んでいたダニエル・バリットとなる。

 勝田は、来季はさらに厳しいチャレンジが待つことを覚悟しつつもさらに大きく成長したいと抱負を語っている。

「2年間、コドライバーとして共にハードな日々を過ごしてくれたマルコ(・サルミネン)に心から感謝しています。彼がいてくれたからこそ、ここまで来ることができました。来季からは2016年にペアを組んだダニエル・バリットと再び組むことになりました。また共にラリーに挑むことを決めてくれたダニエルに、2年前と比べ自分がどう成長したかを見てもらうのが楽しみです。プログラムも強化され、これまで以上に厳しい世界が待っていますが、限界までやりきる覚悟と共に、さらに大きく成長できるという自信を持って臨みます。来季は将来への準備という意味も含め、より一戦一戦着実に、次に繋がるラリーを心がけます」

 TGRラリーチャレンジプログラムを監修するトミ・マキネン代表は、勝田にとって来季が飛躍の一年になることに期待を寄せている。

「勝田はこの3年半で目覚ましい成長を遂げた。次のステップとして、来季はWRC2でこれまで以上に高いレベルで競争すると共に、ヤリスWRCでフィンランド・ラリー選手権に参戦しWRカーに慣れる機会を設けることになった」

「来季の勝田の目標は、WRCイベントの長い週末の間、うまくバランスを取り、より一貫性を持って走ること、プレッシャーとうまく向き合うこと、そして自信をつけることで、プロのWRCドライバーレベルにステップアップすることになる。シーズンオフ明けのラリー・モンテカルロでは、まずは運転感覚を取り戻し、コドライバーのバリットとのコンビネーションを再構築することが目標となる。初戦はプレッシャーなく参戦させ、WRC2選手権争いへの参加は、昨年勝田が素晴らしい成績を上げたスウェーデンからを予定している」


■勝田の2019年参戦予定スケジュール
・FIA世界ラリー選手権
1月24-27日第1戦モンテカルロ(アイス/スノー/ターマック)
2月14-17日第2戦スウェーデン(スノー)
3月28-31日第4戦フランス(ターマック)
4月25-28日第5戦アルゼンチン(グラベル)
5月9-12日第6戦チリ(グラベル)
5月30日-6月2日第7戦ポルトガル(グラベル)
6月13-16日第8戦イタリア(グラベル)
8月1-4日第9戦フィンランド(グラベル)
8月22-25日第10戦ドイツ(ターマック)
9月12-15日第11戦トルコ(グラベル)
10月3-6日第12戦グレートブリテン(グラベル)
10月24-27日第13戦スペイン(ターマック/グラベル)

・フィンランド・ラリー選手権 (車両:ヤリスWRC)
3月1-2日第3戦SMイタ・ラリー(スノー)
5月24-25日第4戦 SM SMリーヒマキ・ラリー(グラベル)


■2019年体制
プログラム監修:トミ・マキネン
プログラム運営管理:カイ・リンドストローム
インストラクター:ヤルッコ・ミエッティネン

■育成ドライバー・プロフィール
勝田貴元(かつたたかもと):1993年3月17日生まれ、愛知県出身。12歳でカートデビューし、18歳でFCJ(フォーミュラチャレンジ・ジャパン)チャンピオン獲得。20歳でF3シリーズ2位、2014年からはF3に参戦するとともに、全日本ラリー選手権にも挑戦、第8戦でJNクラス初優勝。2017年のFIA世界ラリー選手権第7戦(イタリア)、WRC2選手権3位で初の表彰台に上り、2018年のFIA世界ラリー選手権第2戦(スウェーデン)でWRC2選手権初優勝を果たした。