WORLDWIDE2017/04/24

勝田がフランス選手権で猛追6位、大輝も8位完走

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにて欧州でトレーニング中の勝田貴元、新井大輝が、4月21〜22日に開催されたフランス・ラリー選手権第2戦ラリー・リヨン-シャルボニエールにフォード・フィエスタR2で参戦、勝田・サルミネン組はクラス6位/総合17位、新井・マクニール組はクラス8位/総合23位で、2台揃って完走を果たした。

 1950年に初開催されて以来、例年ほぼ同じコースが使用されることから、本ラリーでの経験値が大きく勝敗を左右するラリー・リヨン-シャルボニエールは今年、13SS/226.78kmを139台が競い合った。

 デイ1とデイ2でコースの性格が大きく異なることから、路面、道幅、高低差を考慮したタイヤ戦略、車のセッティング等が要求され、両選手にとって多くの経験を積むことができる有意義なラリーとなったほか、このラリーにはセーフティクルーの参加が許可されており、新井のセーフティクルーを本プログラム講師のヨウニ・アンプヤが、勝田のセーフティクルーを同プログラムで育成中のコドライバー足立さやかと、ドライバーのヤルコ・ニカラが務め、ペースノートの修正やタイヤ選択など、両選手に適切なアドバイスを与えた。

 勝田、新井にとって、欧州でのターマックラリーはこれが3戦目。しかし、ここフランスは、前戦、前々戦のイタリアとは路面や道の特徴が大きく異なり、二人にとってはまた新たな挑戦となった。デイ1、勝田はSS2でスローパンクチャーに見舞われ大きくタイムロスし、クラス20位まで順位を下げてしまう。しかし、SS3以降は着実な走行でクラス14位まで挽回してデイ1を終えた。一方、新井はミスなく安定した走行を続け、デイ1をクラス11位で終了した。

 翌デイ2は、道幅は広めでジャンクションを多く含む、よりハイスピードでテクニカルなコース設定。サーキットレース出身という経歴を持つ勝田は、持ち前の舗装路での力を発揮し、デイ2の8SS8のうち5ステージでクラストップタイムを記録。最終的にクラス6位まで追い上げ、充実感を覚えながらラリーを終えた。また、新井は自分と道に合う車のセッティング、タイヤを選択し、安定した走行で徐々に順位を上げていたが、終盤のSS11で右前サスペンションの不調が発生。タイムは伸び悩んだものの、最後まで走りきることに目標を定め賢明な走りを貫き、クラス8位で完走した。

勝田貴元:「今回はR2車両で走る最後のターマックラリーということもあり、前戦の反省を踏まえて挑みました。しかし、SS2のゴールまで残り5kmというところで原因不明のスローパンクチャーとなり、翌日は下位からスタートする形となってしまいました。それでも、マルコの協力もあって自分を立て直し、残りのSSを攻めることができました。レッキではフランスの路面の捉え方もまた新しい経験となり、経験値を増やすことができました。またセーフティクルーのおかげで、次のSSの状況が手に取るように分かったので、とても心強かったです。次戦はR5車両でのグラベルラリーとなりますが、ここで得た経験が必ず役に立つと思います」

新井大輝:「車のセッティング、タイヤ選択、全てにおいて難しいラリーでした。それでも大きくずれずに選択できたと思っています。それは自分にとって自信にもつながりました。2ループ目に走る路面状況が1ループ目と大きく異なり、セーフティクルーからの情報でペースノートの修正をするなど、また新しい経験をすることができました。適切なブレーキングポイントを掴むのがとても難しかったですが、今後に向けて、ペースノートをより改善する方法が見いだせました。最後はサスペンションの不調で悔しい思いもしましたが、最後まで走り切ることができ、多くの経験ができたラリーでした。また気持ちを切り替え、次のラリーに挑みます」

ヨウニ・アンプヤ(チーフインストラクター):「二人とも事前に立てたプランを着実にこなし、経験豊富な地元ドライバーが多く競争の激しい中で、非常によい結果を出してくれました。勝田は不運なスローパンクチャーがあったものの、クラスベストタイムを5回も記録し、とても嬉しく思っています。新井は終始ミスのない安定した走りができていたし、エンジニアとの相談もうまくできています。今回新井のセーフティクルーを務めたことで、彼のペースノートの成長点や改善点を見つけることができたので、次戦にはすでに改善されていると思います」

 勝田と新井の次戦は5月5〜6日に開催されるポルトガル・ラリー選手権アマランテ・ラリー。5月18〜21日に開催されるWRCラリー・デ・ポルトガルのWRC2カテゴリーに参戦する2人にとって、同じポルトガルの地でのシェイクダウンも兼ねてのラリー出走となる。また、参戦マシンもR2車両からR5車両に変更し、またWRCポルトガル戦に近いグラベルステージで、ペースノートトレーニング、車のセッティング等、WRCポルトガル戦に照準を合わせた準備を行う。