世界ラリー選手権(WRC)公式サイトのwrc.comは、2021年のWRCで「もっとも成長したドライバー」の投票を開始した。選ばれた9名の候補のなかには、今年、サファリ・ラリー・ケニアでキャリア初となるWRCポディウムを獲得した勝田貴元も含まれている。
勝田は一年前、2020年のシーズンを締めくくるパワーステージで初のステージ勝利を果たして今季にむけていい流れを掴んだあと、今季前半戦では6位3回、4位2回のあとサファリで2位フィニッシュを達成することになった。シーズン後半はコドライバーの交代が相次ぎ、クラッシュも多かったようにも見えるが、さらに一段階高いレベルのスピードを目指す以上、リスクはつきまとうものであり、将来へのさらなる飛躍が期待されている。
勝田のほかには、「もっとも成長したドライバー」の称号が与えられる候補として次の8名が選ばれている。
ジュニアWRCで最後までタイトルを争ったジョン・アームストロング、そして彼を破って史上最年少の19歳でジュニアWRC王者に輝いたサミ・パヤリ、WRC2で4度の表彰台を奪って選手権3位となった21歳のマルコ・ブラシア。ヨアン・ロッセルは、アクロポリスでの失格、その数日後にはコドライバーが離れるなどの多くの困難をもはねのけてWRC3タイトルを獲得している。
クロアチアでの印象的なWRカーデビューで年末までにMスポーツ・フォードのセカンドドライバーのポジションをゆるがないものとしたアドリアン・フールモー。経験豊富なクリス・パターソンをコドライバーに迎えて以降、はっきりと安定した成績を残せるようになったガス・グリーンスミスもノミネートされている。
ラリー・エストニアで20歳での最年少WRC優勝者となったカッレ・ロヴァンペラももっとも大きな成長を遂げたドライバーの一人だろう。ギリシャでは早くも2勝目を飾り、近い将来にはタイトル争いさえも期待される速さを身につけつつある。20歳のオリヴァー・ソルベルグも、シーズン中盤にはリタイアを繰り返しながらも失敗から学び、シーズン最終戦モンツァでキャリア最高位の5位を獲得してみせた。
この9名のなかで「もっとも成長したドライバー」の称号を得るのは誰になるのか。wrc.comで行われている投票は日本時間で12月6日に締め切られ、受賞者は12月7日に発表される予定となっている。