WRC2021/03/02

勝田貴元、2戦続けてキャリアベストの6位

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムで世界ラリー選手権に挑んでいる勝田貴元が、先週末に行われた今季WRC第2戦のアークティック・ラリー・フィンランドにおいて開幕戦ラリー・モンテカルロに続き2戦連続してキャリアベストとなる6位フィニッシュを果たした。

 アークティック・ラリー・フィンランドは、北極圏の入り口にあるロヴァニエミを舞台としており、ステージはその大部分が森林地帯のスノーロードで、最高速度が180km/h以上に達する超ハイスピードなセクションと、道幅が非常に狭くツイスティなコーナーが連続するテクニカルなセクションの両方がある、複雑なステージ構成のラリーとなっている。

 勝田は過去に3度、ロヴァニエミのステージで国内選手権として開催されたアークティック・ラップランド・ラリーに出場しており、ステージの特徴についてはある程度理解していたが、WRカーでの出場は今回が初めてであり、新たな挑戦となっている。

 勝田は初日、2つのステージをともに8番手タイムで走行し、総合順位は7位。デイ2では7番手タイムを5回記録し、総合7位を堅持。最終日のデイ3ではSS9で5番手タイムを刻み、その再走ステージのSS10では順位をひとつ上げ、前戦ラリー・モンテカルロに続き、自己ベストリザルトである総合6位で完走、ドライバーズ選手権でも8ポイントを獲得している。

 勝田はいくつかの小さなミスはあったが、経験豊富なワークスドライバーと遜色ないタイムを何度も記録しており、チームメイトのエルフィン・エヴァンスからわずか36.3秒遅れにすぎないペースをみせてフィニッシュを迎えている。

 トヨタの開発ドライバーであるとともに、TGR WRCチャレンジプログラムのインストラクターを務めるユホ・ハンニネンは、これまでに勝田がヤリスWRCで出場したイベントのなかでベストパフォーマンスだったと評価している。

「僕としては、タカがヤリスWRCで出場したラリーの中で、今回がベストだったと思う」とハンニネンは語った。

「もっと速く走り、より良い結果を得ることを彼が望んでいたのは知っているが、それでもフィニッシュ時の上位選手とのタイム差は非常に小さく、間違いなく過去最小の差だったので、その点でも良いリザルトだと思う」

「大きなミスはなく、終始走りは安定していたし、もっと速く走ることもできたはずだが、クリーンで安定した走りを続けるためには、少しペースを落とす必要があることを彼は理解していたし、それはとても重要なことだ。今回のような結果が、今後のラリーで自信となることを確信している」

 勝田は、この週末に満足しているとふり返りながらも、より高みに挑むための課題もみつかったと語っている。

「この週末には満足していますが、さらにいい走りを見せたかったですし、ラリーが始まる前はもっといい結果を期待していました」と勝田は語った。

「ステージはとても楽しく、区間タイムでは何度か最速でしたが、いくつかの区間では少し慎重になりすぎてタイムを失ってしまいました。コンディションが安定している時は自信を持って走れましたが、雪が緩んでいたり、大きな轍があるところでは、ドライビングを改善する必要性を実感しました。表彰台に立ったり、優勝するためには、その部分に集中して取り組み、改善しなくてはなりません。まだまだ学ぶべきことは多くありますが、モチベーションは以前よりもさらに高まっています」