JAPAN2016/07/04

奴田原がラリー洞爺で今季初優勝

(c)Takeshi Sakuma

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 全日本ラリー選手権第5戦ARKラリー洞爺が7月1〜3日に行われ、初日のヘビウェットのコンディションのなかで速さをみせた奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションX)が最終日もペースを落とさず、今季初優勝を飾ることになった。

 ラリー洞爺は金曜夜のSS1でトップタイムを奪った新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)がリードする展開ではじまったものの、ウェットコンディションとなった金曜日の朝、彼はSS3のゴール近くでスピン、コースが狭く切り返しに手間取ったために27秒をロスしたため6位まで転落することとなった。

 これで首位に立ったのは奴田原。午後になって次第に激しさを増す雨のなかでタイヤチョイスが勝負の鍵となるなか、彼は泥ねい路用のアドバンを選択して、次第にライバルたちを引き離す。彼は勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)に対して12.2秒をリードして初日を終えることになる。

 勝田にとっては金曜夜の行われたSS1でのミスコースによる11秒のロスが悔やまれるところだが、雨の上がった最終日も奴田原を追い詰めるには至らず、13.1秒差をつけた奴田原が今季初優勝を飾ることになった。

 また、勝田から6.5秒遅れの3位は鎌田卓麻/市野 諮(スバルWRX STI)。彼は、初日のスピンによるタイムロスを取り戻すべく激しく追い上げてきた新井の追撃を3.4秒差でしのぎ、開幕戦につづく今季2度目の表彰台を獲得している。

 また、ニュージーランドから参戦したマイケル・ヤング/保井隆宏(スバルWRX STI)はSS4を終えて3位につけていたものの、雨のなかでのタイヤチョイスのミスにより6位に終わっている。

 JN-5クラスは、土曜日の朝のオープニングステージで関根正人/小坂典嵩(シトロエンDS3 R3 MAX)が崖下に転落してリタイアするという波乱の幕開けとなった。大橋逸夫/藤上 亘(MINIジョンクーパーワークス)もクラッシュで消えたあとは、柳澤宏至/中原祥雅(プジョー208 R2)が独走、3連勝を飾っている。大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツGRMNターボ)が最終日には増水した川わたりで多くのマシンがエンジンを止めることなったステージで彼も餌食となるところだったが、どうにか2分2.2秒遅れの2位となっている。

 全日本初登場が注目されたトヨタ86 CS-R3を駆るヘイキ・コバライネンは北川紗衣とのコンビで初登場も日本のトリッキーな林道に苦戦、彼もまた最終日には川わたりでエンジンをストップさせ、あわやリタイアとなるところだったが、どうにか3分20秒遅れのJN-5クラス3位でフィニッシュしている。

 また、JN-4クラスは曽根嵩仁/桝谷知彦(トヨタ86)、JN-3クラスは天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツRS)、JN-1クラスは須藤浩志/新井正和(スズキ・スイフト)がそれぞれ優勝を飾っている。