WRC2022/02/19

新型ファビアRally2がスウェーデンで集中テスト

(c)Skoda

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 シュコダ・モータースポーツは、新型ファビアのRally2マシンをさらに進化させるべく、フィンランドの北部の氷点下のコンディションで5日間のテストを行った。

 マイナス14度まで気温が下がるラップランドで、現WRC2王者のアンドレアス・ミケルセン、元WRCドライバーのクリス・ミーク、フィンランドの注目株エミル・リンドホルムが、それぞれステアリングを握った。

 2021年にモータースポーツ活動120周年を迎えたシュコダは、昨年の夏、市販化された第4世代のファビアをベースとしたRally2カーの開発に着手したことを発表、その時点ですでにチェコ、フランス、スペインのグラベルおよびターマックのステージにおいて彼らがテストを行っていたことを明らかにしている。

 新しいファビアRally2の開発プロジェクトのリーダーを務めるヤン・クラシュラは、今夏が目標とされるFIAホモロゲーションまでにあらゆる路面でのテストをカバーしたいと考えている。

「目標は、厳しい冬の環境下でシャシーやパワートレインコンポーネントなどの耐久性やパフォーマンスをテストすることだけではなかった」と、彼は説明した。

「凍てつくような寒さの中でクルーがコックピット内で許容できる快適さを見つけだせるようにしなくてはならない。例えば、フロントガラスが曇らないことや、車内の温度が一定以下にならないことなどが必要だ」

「そのため、我々は新世代のシュコダ・ファビアRally2をできるだけ多くの路面や条件でテストし、マシンが競技に参加した後も、カスタマーチームが驚くことが何もないようにしている」と、クラシュラは付け加えた。

 ミケルセンは2020年からファビアRally2エボで参戦プログラムを持っており、その後継マシンのスノーパフォーマンスに感銘を受けたと語った。

「新世代のマシンは、ターマックやグラベルですでに非常に良いフィーリングを得ている。先日のテストの後、雪上でもそれを確認することができた。マシンのフィーリングは素晴らしいし、開発は間違いなく正しい方向に進んでいる」

 ミークもまたマシンを賞賛した。「テストはすべて計画通りに進んだ。私たちはさらに前進し、今回も重要な知見を得ることができた。エンジニアはさまざまな技術的な構成を試していて、私はマシンをドライブすることをとても楽しんでいる」

 ファビアは、2015年のデビュー以来、ミケルセン、エサペッカ・ラッピ、ポントゥス・ティデマンド、カッレ・ロヴァンペラなどのドライバーの手によって、R5およびRally2でFIA世界ラリー選手権サポートカテゴリーのタイトルを10回獲得している。

 新しいRally2マシンは、5速シーケンシャルギヤボックスと1.6リッター・ターボエンジンを搭載している。今年後半には競技に参加する予定だ。