WRC2017/02/18

新WRカーに予期しなかった問題

(c)OneBet Jippocar WRT

 新しいWRカーのパフォーマンスの向上が明らかになるいっぽう、思ってもみなかった問題も浮上している。

 平均速度が130km/hを軽々と超えたほど超高速だったラリー・スウェーデンのステージでは、長いサスペンションがフルバンプして恐い思いをしたドライバーも多いが、なかでもマッズ・オストベルグが走行中にリヤ・ウィングが吹き飛んだことからも、以前より強大化したクルマに驚くべき大きさのダウンフォースがかかっていることが実証されたと言ってもいいだろう。

 オストベルグはスウェーデン初日、6速で走行中にリヤ・ウィングを失うという恐怖体験をしているが、その後回収されたリヤ・ウィングをチェックしたところこのパーツをリヤゲートに留めている接続部分が剥がれたのではなく、なにか強い衝撃を受けたかのようにカーボン製のウィング支柱が真ん中からバッキリと折れていたことが判明している。

 Mスポーツ代表のマルコム・ウィルソンは、原因についてはエンジニアが調査をしているところだと語っているものの、フォード・フィエスタWRCのパフォーマンスを揺るがす問題ではないと考えている。

「これについての調査は続いているところだ」とウィルソン。「2戦を走って、ともに2台が表彰台を獲得している。これはチームにとって信じられない結果であり、フィエスタWRCの素晴らしいパッケージをさらに実証するために前に進むつもりだ」

 また、いっぽうでフィエスタWRCが2016年スペックのマシンよりさらにナーバスになっているという指摘もある。最終日に首位のヤリ-マティ・ラトバラからわずか3.8秒遅れでスタートしたオット・タナクが「マシンが常にスピンしたがるんだ」だと語り、追撃を止めているが、この原因についてもまだ明らかにはなってないようだ。

 Mスポーツによれば、これは2017年スペックのマシンに限ったトラブルではなく、昨年もよく見られたデファレンシャルに起因している可能性があると指摘している。