WRC2019/11/10

森林火災でオーストラリア開催危機、国内戦は中止

(c)Toyota

 世界ラリー選手権の今季最終戦として今週末の開催が予定されるラリー・オーストラリアは、ニューサウスウェールズ州の森林で同時多発している大規模な火災の脅威にさらされている。

 主催者はすでに土曜日の深夜、併催される国内選手権の最終ラウンドの開催中止を決定、WRCイベントについては開催されるだろうと発表しているが、いまも広範囲にわたって非常事態レベルの火災発生していることから、ルート短縮や変更が行われる可能性がありそうだ。

 現地の消防局によればオーストラリア南東エリアで8日ごろからすでに100件近くも山林火災が発生しており、そのうち17件についてはかなり広域の大規模火災となっており1000人以上の消防隊員が消火にあたっているという。

 火災による最も影響が大きい地域はクイーンズランド州やコフスコーストに集中しており、現地のナインニュースによれば、ラリーのホストタウンであるコフスハーバーの西北部にあたるテンターフィールドやアーミデール、西部のクラレンスバレーにも大きな火災があると伝えており、土曜日のラリールートにあたる南部のナンブッカ地域もいくつかの火災があるとしている。

 主催者によればステージが行われる森林エリアで直接発生している火災はないものの、火勢が激しい山林が周辺にはいくつもあることからニューサウスウェールズ州の主要道路や幹線道路は安全のために閉鎖されている。

 ラリー・オーストラリアのクラークオブコースは、土曜日の夜、次のように発表している。

「ラリー・オーストラリアで使用される道路に直接的な火災の影響はないが、コフスコーストの森林で発生している火災のため、オーストラリア国内選手権(カーナンバー80番から151番)は中止、WRCイベントについては継続されるだろう」

「主催者は当局と密接かつ定期的に連絡を取り合っており、今後のイベントについても注視しながら、あらゆる方法で開催にむけて支援していくつもりでいる」

 火曜日の朝からはラリー・オーストラリアのレッキが始まることになるが、ラリーに使用されるすべての森林地帯の道路やそこに向かう道路は現在、予防措置として交通が閉鎖されている。

「コフスハーバーには火災はないためラリーの準備は進んでいる。しかし、ラリーに使用されるすべての森林地帯が予防措置として閉鎖されている」

 主催者によれば、中止が決まった国内選手権のエントラントについても木曜日夜に行われるNSWスーパーSSと土曜日のローレーのショートSSでのデモンストレーション走行を認める計画だとしている。