WRC2023/04/25

波乱続出ジュニアWRC、ケリーが初優勝

(c)M-Sport

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 FIAジュニアWRC選手権第2戦のクロアチア・ラリーは、開幕戦で優勝を争ったウィリアム・クレイトンとローラン・ペリエがそろってトラブルに見舞われる波乱のなか、アイルランドのイーモン・ケリーが初優勝を飾ることになった。

 Mスポーツ・ポーランドのフォード・フィエスタRally3で争われる今季のジュニアWRCは、雪のスウェーデンで開幕後、第2戦はクロアチアのターマックで争われることになった。

 金曜日の序盤からペースを上げたのはジュニアERCチャンピオンのペリエだ。オープニングステージで早くも15.4秒という大きなアドバンテージを獲得した彼だが、じわじわと後方から迫ってきたクレイトンがSS5で逆転、9秒をリードして初日をトップで終えることになった。

 二人は金曜日を終えた時点ですでに後続を3分以上引き離しており、まるで開幕戦をスウェーデン再現するかのように土曜日も両雄の戦いになると見られていた。リーダーのクレイトンは恩師でもあり、目標でもあったクレイグ・ブリーンのためにもここで勝利で報いたいところだったが、なんと開幕ステージで横転し、早々にリタイアを余儀なくされてしまった。

 これでペリエが首位に立ち、朝のループを終えて後続に4分あまりの大差をつけて独走する。

 しかし、ペリエはデイサービス後の最初のステージで、エンジンのトラブルに見舞われ、SS13の途中で一時ストップし、2分以上遅れをとってしまう。エンジンパワーを失ったペリエは、リードがどんどん縮まる中、リスクを避けながら残り3ステージを走り抜け、後続に1分34秒差をつけてどうにかトップでこの日を終えることになった。

 2位には、前日の6位からジュニアWRC初となるステージ優勝を飾って追い上げたベルギーのトム・レンソネが続き、30.3秒差の3位でアイルランドのイーモン・ケリーが続く展開で最終日を迎えることになった。

 ペリエは、エンジンの問題が修理できるかどうか、緊張しながら最終日を待つことになったが、問題はヘッドガスケットにあったため、完全に直らないままタイムを落とすことになる。2つのステージで1分を失いながらもどうにかゴールを目指していたが、最終ステージを前にしたSS19でエンジン破損で残念ながらマシンを止めることになる。

 これでトップに立つかとみられたレンソネもまたエンジンに問題をかかえてしまいペースが上がらず、ケリーが土壇場で首位に立ち、ジュニアWRC参戦2戦目で初優勝を飾ることになった。

 2位には30.8秒差でレンソネが入り、3位には36分遅れでロベルト・ブラッハが続き、トップ3の3人ともが初表彰台を経験することになった。