WRC2025/06/09

豊田会長、昨年の雪辱を果たす勝利を喜ぶ

(c)Toyota

 TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(TGR-WRT)の豊田章男会長は、チームがなかなかラリー・イタリア・サルディニアで勝てなかったことに悔しい思いをしてきたと明かすとともに、セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデが素晴らしい勝利をチームにもたらしてくれたことを喜んだ。

 オジエは昨年のサルディニアでも最終ステージでタイヤの空気が漏れ出たことでペースが低下し、最終的には0.2秒差でオイット・タナクに逆転を許し総合2位でラリーを終えている。オジエは今年、1年前の雪辱を果たすことを誓ってスタートしたが、17秒あまりをリードして迎えた最終ステージでハーフスピンを喫して木に接触、一時ストップしてしまった。まるで悪夢の再現かのようなひやりとさせる出来事だったが、オジエはコースに戻るや冷静な走りを最後までキープ、タナクに7.9秒差をつけて優勝し、今シーズン3勝目を手にした。

 また、カッレ・ロヴァンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンは総合3位、エルフィン・エヴァンス/スコット・マーティンは総合4位、勝田貴元/アーロン・ジョンストンは総合5位でフィニッシュし、TGR-WRT2からのエントリーとなるサミ・パヤリ/マルコ・サルミネンは、総合7位でラリーを終えることになった。

 TGR-WRTは開幕6連勝とともに4人のドライバーがトップ5に入ったことで、マニュファクチャラー選手権では首位をキープ。ヒョンデとの差を69ポイントに拡げた。ドライバーズ選手権では、トヨタのドライバーがトップ3を維持しており、エヴァンスが首位を守っている。しかし、これまで出場した4戦で3勝を飾ったオジエがドライバー選手権で2位に浮上、エヴァンスに19ポイント差と迫ったほか、3位のロヴァンペラも20ポイント差に近づいている。
 
 豊田会長は、厳しい道のサルディニアで優勝を飾ったオジエを讃えるとともに、すべてのGRヤリスRally1がデイリタイアすることなく上位でゴールを迎えたことを喜ぶメッセージを発表している。

「我々TOYOTA GAZOO Racingにとってサルディニアは本当に厳しい道です。今まで8回チャレンジを重ねてきて優勝できたのは1度だけ。ほぼ毎年だれかがデイリタイアして優勝戦線を離れています。2019年はオィットが、2024年はセブが最終SSでのスローダウンで勝利を逃しました。0.2秒差でセブが優勝を逃した昨年は本当に悔しかったです」

「今年もパワーステージでヒヤリとしましたが、セブが雪辱を果たしてくれました! 9回目のサルディニアで嬉しい2勝目です。セブ、ヴァンサンありがとう!」

「貴元の横転やその他にもトラブルはありましたが、5台ともにデイリタイアすることなくサルディニアを走り切り、ゴールに戻ってきてくれたこともうれしいです」

「こうして厳しい道に鍛えてもらい、ひとつひとつ乗り越えながら、TOYOTA GAZAOO Racingは、ラリーの道で、もっといいクルマづくりを重ねていければと思います」