WRC2022/02/24

豊田章男社長、FIA評議員会メンバーに選出

(c)Toyota

 2月17日にパリで開催された国際自動車連盟(FIA)評議員会は、FIA会長モハメド・ベン・スレイエムの提案により、トヨタ自動車株式会社の豊田章男代表取締役社長を含む4人の新しい評議員会メンバーを任命した。FIAの評議員会メンバーに自動車メーカーのCEOが選ばれることは史上初めてのことだ。

 FIA評議員会は、FIAの最上位機関として、連盟の運営と財務を監督するFIAの最も重要な機関の一つである。評議員会は、FIAの運営と一般的な政策に関する問題で、世界評議会のいずれでもカバーできないものを取り扱う。そのため、主な責務は財務となる。監査委員会の助言のもと、決算を行い、世界評議会の予算を作成し、連結予算を扱う。この権限の下で、評議員会はFIAの注意を引く可能性のある商業的な問題にも責任を負う。

 評議員会は、FIA会長および副会長、評議員会議長とともに、16名のメンバーで構成されている。評議員会のほかのメンバーは、FIA自動車モビリティおよびツーリズム世界評議会とFIAワールドモータースポーツカウンシル(ワールドモータースポーツ評議会、WMSC)から4名ずつが代表して評議員会のメンバーに選ばれている。

 FIAでは今回、FIAをより一層世界に開くことを目的として、新たに2つのカウンシルに所属していない外部から4人の新評議員会メンバーを任命することを決定した。

 FIAは新メンバーとなった豊田社長について次のように紹介している。

「豊田社長は、20年以上にわたり、生産、マーケティング、商品開発など、自動車事業のあらゆるフェーズで国内外のポストを経験し、2009年からトヨタを率いている。彼はまた、モリゾウという名でサーキットレースやラリーで活躍し、トヨタやレクサスの全商品を開発段階でテストするマスタードライバーとしても知られる。また、日本自動車工業会の会長として、日本の自動車産業を牽引している。彼は自動車業界のCEOとして初めてFIA評議員会メンバーに就任した」

 FIA会長のモハメッド・ベン・スレイエムは、次のようにコメントした。

「新しい評議員会の構成は、FIAをこれまで以上に世界に開いていくものだ。FIAの中心的な役割を担うこの重要な組織が、地球上のあらゆる地域から構成され、FIFA事務総長ファトマ・サムーラが含まれることで新メンバーの25%が女性であることを大変誇りに思う。また、トヨタ自動車の豊田社長の就任は、自動車産業とより緊密に連携していきたいという我々の意志の表れでもある。英国王立自動車クラブ会長のベン・カッソンズと南アフリカ・モータースポーツ協会会長のアントン・ルーの就任は、FIAにおけるメンバーの役割をより一層強化するものだ。我々の連盟のガバナンスは、多様性と包括性という点で模範的でなければならないということは、私の深い信念だ」