WORLDWIDE2017/01/30

貴元・大輝、2017年海外挑戦緒戦をともに完走

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racingは、ラリーチャレンジプログラムの今季初戦となったフィンランド・ラリー選手権第1戦アークティック・ラップランド・ラリーのレポートと選手のコメントを発表した。

 欧州でトレーニング中の育成ドライバーの勝田貴元と新井大輝は、1月26〜28日に開催されたアークティック・ラップランド・ラリーには昨年に引き続きフォード・フィエスタR5で参戦、いずれも完走を果たすことになった。

 今シーズンの初戦となったアークティック・ラップランド・ラリーは、フィンランド北部のロヴァニエミを拠点に開催される伝統あるラリーである。当ラリーは走行路の大部分が北極圏内で、過去にマイナス35度の中で戦われたことでも知られるが、今年は氷点下1〜3度程度の条件となり、ラップランドの特徴的な路面で走行を学ぶ機会として、勝田、新井の両選手にとっては最高のコンディションとなった。

 勝田、マルコ・サルミネン組はSS1で好タイムをマークし順調なスタートを切るも、SS2で雪壁にスタック。観客の力を借りて道に戻りSS2を終えることができたが18分のタイムロスを喫し、続くSS3、SS4ではマシントラブルに見舞われた。それでも翌日は気持ちを新たに出発、2日間で総SS距離251.61kmを走り切り、総合20位でラリーを終えた。

 一方、新井、グレン・マクニール組は終始安定した走りを見せ、最後まで上位争いを続けたが、クラス5位の入賞も視野に入った最終のSS10で雪壁にスタックし、5分のタイムロスとなり結果的に10位でラリーを終えた。

■選手コメント
勝田貴元:「SS2でスノーバンク(雪壁)にスタックしてしまったことと、SS3、4でのエンジントラブルは残念でしたが、最後まで走りきり、雪上での経験値を増やすことができて、とてもよいトレーニングになりました。新しいコドライバーのマルコと初めての実戦でしたが、フィーリングはばっちりで、ペースノートにも迷いがなくなり、満足のいくドライビングができました。2日目の走行順は厳しかったですが、次回ラリー・スウェーデンのよい練習になると気持ちを切り替え、常にポジティブに走ることができたことも大きな収穫でした」

新井大輝:「ラリー車に乗るのは久々だったので、感覚を取り戻すのに少し時間がかかりましたが、ラリーを通して徐々に感覚が戻ってきました。3位に入れそうな位置で走れていたので最終SSだけはとても残念でした。レッキ後に起こった強風でレッキ時はなかった雪が道を覆い、道の形状が変わってしまっていたコーナーがいくつもありました。意識して注意深くいったのですが、逆にリズムを崩してスタックしてしまい観客に助けてもらいました。でもこういうことが起こるのもラリー。今回はラリー中に色々セッティングを変えて試したこともとても勉強になったので、次回もこれまで得た経験を活かし、着実に進歩したいです。

■講師コメント
ヨウニ・アンプヤ(チーフインストラクター):「今回のラリーにおいて、勝田、新井の実際のパフォーマンスは結果表に載った数字以上の内容だったと言えます。強豪のライバルたちに対し、ラップランドの独特で複雑な状況に慣れていない二人が、トップ5に入るステージタイムを出すなど、素晴らしいパフォーマンスでした。初日のタイムロスの結果、勝田の2日目の走行順は41番目となり、ロードコンディションの悪い中で走ることを余儀なくされ、また、前を走っている車にも追い付いてしまうこともありましたが、それもよい経験に変えることができたと思っています。新井は最終ステージまでは総合5番手につけており、終始非常によい走りをし、ヤルコ・足立組もまた素晴らしい走りをしました。各クルーそしてチーム全体の成長は、今後へのさらなる希望をもたらしました」

 勝田・新井の次戦は2月9〜12日に開催されるFIA世界ラリー選手権第2戦のラリー・スウェーデン(WRC2カテゴリー)となる。