WORLDWIDE2017/03/14

足立さやか、フィンランド選手権で3位入賞

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにてコドライバーとしてフィンランド・ラリー選手権に挑戦中の足立さやかが、3月10〜11日に開催されたフィンランド選手権第3戦ターコ・ラリーにドライバーのヤルコ・ニカラと共にスバル・インプレッサWRX STIで参戦、総合3位で初の表彰台を獲得した。

 フィンランド選手権の今シーズン最後のスノーラリーとなるターコ・ラリーには154台がエントリー、フィンランド東央部のニルシアにあるターコスキーリゾートを中心に6SS/104.32kmで争われた。

 ターコ・ラリーのコースはワイドセクションとナローセクションが混在し、ハイスピードからナローセクションに侵入するコーナーなど、非常にテクニカルな設定。ペースノートの精度の高さ、最適なタイミングでの読み上げなどが要求され、選手にとって大きなチャレンジとなった。

 SS1でトップタイムを出し、好調なスタートを切ったニカラ/足立組は、SS2以降も常に総合3位のポジションをキープし、各ステージでのトップとの差は1〜3秒台という僅差の戦いを繰り広げた。最終SSは32.83kmとラリー最長で、さらに順位が上がることも期待されたが、スタート直前で競技が中断され、二人はスタート位置で45分間足止めされた。日没が近づいて路面の凍結が始まり、さらに通常のライトのみで薄暗い中での走行を強いられたクルーは、そんな中でも最後のアタックを試みたが、ステージ後半にエンジン不調も重なり、スローダウンを余儀なくされた。しかし、最後まで慎重に車を運び、クルーにとって初めての表彰台を獲得した。

 各ステージで記録されたトップタイムの平均時速が120.4km/hというハイスピードとなったラリーで、ライバルたちが格上のR5車両を使用している中、R5より速度が落ち、重量のあるR4車両でニカラ・足立は大いに健闘し、また新しい学びを得た一戦となった。

 足立は、レッキのときから慎重にペースノートを作ることに集中したと語った。

「今回のラリーはハイスピードセクションとナローセクションが混在していたのでとてもノートが大事だと思い、レッキの段階から慎重にノートを作りました。それでもラリーでは読み遅れてしまう箇所が何か所かありましたが、そこはヤルコのドライビングと経験が私を助けてくれました。このラリーを通じてまた新しい発見があり、様々な工夫をお互いに話し合う事ができて、回を重ねるごとに彼を理解できるようになりました。次戦は私たちにとって初めてのグラベルのラリーなので、事前にグラベルでのレッキトレーニング、ドライビングテストを行い、準備を入念にしたいと思います」

 ニカラは、リーディングに助けられたために速く走ることができたと足立を評価している。

「今回はハイスピードからナローセクションに入る際などブレーキのタイミングが難しかったのですが、サヤカは自分に合わせてくれたし、どんどんフィンランドのリズムに慣れてきています。サヤカのリーディングなしにあれだけ速く攻めることはできませんでした。もちろんまだいくつかの改善ポイントはありますが、走行を重ねるごとにフィーリングが合ってきているのを感じます」

 また、チーフインストラクターを務めるヨウニ・アンプヤは次のようにコメントした。

「このラリーはとてもハイスピードでテクニカルなコース設定のため、ペースノートが勝敗を大きく左右します。まだ新しいコンビにとって、学ぶことの多い、良いラリーでした。R4マシンでこのラリーをR5の上位車と互角で戦えたことは素晴らしい成果であり、ハイスピードでのサヤカのペースノートのリーディングが正しく行えていたからとも言えます。細かいセクションでのリーディングのタイミングやロードセクションでの誘導など、改善すべきポイントはまだあります。これからもコドライバーとしての経験を多く積み、スキルを磨いてほしいと考えています」
(TOTOTA GAZOO Racingプレスリリースより)