WRC2018/09/20

車両違反のMスポーツ・ポーランドに390万円罰金

(c)M-Sport

 ラリー・トルコのスチュワードは、ジュニアWRC選手権で優勝したエミル・ベルクヴィストと2位でフィニッシュしたデニス・ロドストロームのフィエスタR2のフロントダンパーがホモロゲーションと一致しないことを認め、このマシンを製作したMスポーツ・ポーランドに対して3万ユーロ(およそ390万円)の罰金を科すことを決定した。

 ラリー後に行われた車検においてベルクヴィストの左右のフロントダンパーおよびロドストロームの左のフロントダンパーのリザーバータンクがホモロゲーションペーパーに記載された173mmではなくそれぞれ159mmであることが発覚することになった。

 スチュワードはFIAテクニカル・デレゲートによるこの報告に基づき、ジュニアWRCのマシンを供給するMスポーツ・ポーランドのマネージャー、マチエイ・ヴォダと問題のあったマシンの2組のクルーをスチュワード・ミーティングに召喚、FIAテクニカル・デレゲートのジェローム・トゥケと彼のアシスタントを務めるリオネル・カーレの立ち会いのもとで聴き取り調査を行っている。

 ヴォダはこの聴聞会で、このダンパーはサプライヤーであるレイガーから受け取った競技用ダンパーの一式であると述べ、要請に応じてレイガーから送られてきた電子メールの文面を公開した。

「決して起きてはいけないことだが、ミスによって誤ったセットが取り付けられてしまったようだ・・・。ダンパーの機能面では、それは有益ではなく、むしろ悪いものと言える。特に気温の高いラフな地形では、ロングステージにおいてダンパーの冷却機能とパフォーマンスが低下する」

 さらにヴォダは、ラリーからリタイアしたジュニアWRCのマシンだけでなく、すべてのスペアパーツもチェックしたと述べ、ダンパーの中で遵守していなかったものは、すでに判明した彼らの3本のダンパーだけであったことを報告した。

 ヴォダはこれらがMスポーツ・ポーランドのミスであったことを謝罪するとともにジュニアWRCの競技者及びドライバーはマシンのコンプライアンスに一切の責任を負わせたくないとの考えをスチュワードに対して表明、スチュワードは問題のあったダンパーが性能の向上を意図したものではないことを認めて競技者に失格などの処分を科さずにMスポーツ・ポーランドへの罰金を科すことを決めている。