WRC2020/05/28

12歳デルクールJrが父の猛特訓でラリーを目指す?

(c)Francois Delecour

 エリオット・デルクールは、ともに世界的に有名なラリードライバーであるフランソワ・デレクールとプリシラ・ド・ベロイの息子であり、その遺伝子を受けついでいるようだ。12歳のエリオットはいまはラリーよりサッカーに夢中であるようだが、父フランソワの猛特訓でWRCにデビューする日はそう遠くないだろう!

 今年58歳となるデルクールは、かつてフォード、プジョー、三菱のワークスチームをわたり歩き、WRCで通算4勝を飾っている。フランス初のワールドチャンピオンになることが期待された時代もあった。また、プリシラは雑誌などのモデルのかたわら、プジョーフランスの支援によってフランス選手権などに出場した経歴をもっており、デルクールとは彼がプジョーワークスで走っていた時代に知り合っている。

 2000年末にデルクールからプジョーのシートを奪ったハリ・ロヴァンペラの息子カッレは19歳ながらいまやトヨタGAZOOレーシングWRTから世界ラリー選手権のトップカテゴリーへと上りつめ、1991年のモンテカルロで死闘を演じたカルロス・サインツの息子は来季はフェラーリF1チームのドライバーだ。時代はめぐり、父から子たちの時代となり、彼らと同時期に争ったデルクールもかわいい息子をラリードライバーとして鍛え上げようとしているようだ。

 エキセントリックな性格のために現役時代にはチームやコドライバーとのもめ事も多々あったデルクールだが、カナリア島で撮影されたというラリーカーのテスト風景を収めたビデオのなかで、タイトコーナーでは息子のエリオットのためにサイドブレーキを引いて献身的にサポートしているかもにも見えたが、走りはじめるや息子に走り方の指示を伝えるスパルタぶりを発揮、猛特訓に息子はすこし嫌そうな顔をしている。

「ほら、これがサイドブレーキだ。サイドブレーキは俺がやるから。おまえは使ったことないだろう」とデルクールはスタート前にエリオットにむけて語っている。

 エリオットも巧みな左足ブレーキを操ってみせたが、走り終わったあと「何秒だった?」と気にしていて、「41秒」と聞くや、なんだかがっかりした様子をみせている。

 エリオット・デルクールのテスト動画は本サイトの動画コーナーにて。