WRC2022/06/20

2期生の大竹、小暮、山本が欧州デビュー

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生、大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀の3選手が、6月17〜18日に行われたフィンランド選手権第5戦ポフヤンマー・ラリーで、欧州でのラリーデビューを果たした。

 今年2月にフィンランドで実施したセレクションを経て本プログラムの参加が決まった大竹、小暮、山本は、4月よりフィンランドに移り住み、本格的なトレーニングを開始している。3人はそれぞれ経験豊富なフィンランド人コドライバーとペアを組み、ここ数週間、ペースノートのトレーニングに取り組むとともに、今回のラリーでも使用した2WDのRally4車両でテストを実施してきた。

 ポフヤンマー・ラリーはフィンランドの典型的な高速のグラベルラリーで、フィンランド西部に位置するセイナヨキ周辺で行われました。ラリーは8つの異なるスペシャルステージからなり、クルーは合計128.18kmのSSのレッキを行い、ペースノートを一から作成してラリーに臨んでいる。

 SS1とSS2は晴天の金曜日の夜、ドライで砂埃の多いコンディションの中で実施されたが、残る6つのステージは翌日の土曜日、激しい雨の中で行われることとなり、3選手はコンディションが激しく変わる中でのラリーを経験した。

 欧州での初の実戦という新しいチャレンジからできるだけ多くを学ぶことを目的に挑んだ3名は、それぞれ順調にステージをこなしたが、SS5で大竹/マルコ・サルミネンがテクニカルトラブルによりリタイアとなってしまった。リタイアになるまでは、大竹はチームメイトの中でトップのSM4クラス6位につけていた。山本/ミーカ・テイスコネン組、小暮/トピ・ルフティネン組は大きなトラブルなく、最終的にそれぞれクラス4位と5位でラリーを終えている。山本と小暮のタイム差は20秒で、小暮はフライングによる10秒のペナルティがなければもっと僅差でのゴールだったはずだ。3選手は引き続き、次の実戦に向けてトレーニングとテストを行っていくことになる。

小暮ひかる(写真左):「金曜日の夜は陽が低く、前走車からの砂埃で前がとても見づらかったです。また、翌日は泥が多く、とても滑りやすくなりました。ステージ毎にコンディションが変わる、とてもチャレンジングなラリーだったので完走できて本当に嬉しいです。とても良い経験をさせていただきました。次のラリーではより自信を持ってドライビングできるよう、特にペースノート中心に、改善に向けてしっかり準備していきます。チームとコドライバーのトピのサポートに感謝しています」

大竹直生(右):「最後まで走ることができなかったのは残念でしたが、とても良い経験になりました。このような高速ラリーで戦うのは初めてでしたし、とても難しいコンディションでした。自分のペースノートが良くなかったと思ったところがいくつかあり、特にブレーキングポイントなど、今後の改善につながる新しいことをたくさん学びました。チームと、経験豊富でたくさん助けてくれているコドライバーのマルコにはとても感謝しています」

山本雄紀(中央):「フィンランドでの最初のラリーを完走できてとても嬉しいです。チームとコドライバーのミーカに感謝を伝えたいです。ラリー中は色んなことが起き、多くの異なるコンディションを経験することができました。コンディションがいい時は良いリズムで走ることができましたが、滑りやすい路面になった時はグリップが効かず、良いリズムで快適に走ることは難しかったです。一番大変だったのはペースノートの情報だけで前方の道をイメージすることでした。それはペースノートが正確でなかったからとも言えるので、次のラリーまでにそこをもっと改善したいと思います」

 チーフインストラクターを務めるミッコ・ヒルボネンは次のように述べている。

「今回のラリーは、ドライバーにとってとにかく新しいことばかりなので、順位やスピードといった点での目標は設定しなかった。テストで見ていたような安定したドライビングをし、ラリーを完走してできるだけ多くの経験を得てもらいたいと思っていたからだ」

「結果的に、一番難しかったのは今回のコンディションだった。金曜日は陽が低く、ダストが多いコンディションで、土曜日は雨と泥のコンディションだった。このコンディションが彼らの自信とリズムに確実に影響したので、簡単なスタートとはいかなかった。良かったのは、ユウキとヒカルは完走して経験を得られたこと。残念ながらナオはテクニカルトラブルにより最後まで走り切れなかったが、我々のデビュー戦としては全体的に満足できる内容となった。これからオンボードビデオとデータを分析し、今後力を注ぐべきポイントを把握し、次に備えたい」