WORLDWIDE2023/04/17

2期生山本がイタリアターマック戦でクラス6位

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生、大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀が4月14日〜15日にイタリアで開催されたラリー・レジオーネ・ピエモンテのRally4クラスに参戦し、山本がクラス6位でフィニッシュ、大竹はクラス15位、小暮はリタイアとなった。

 大竹、小暮、山本にとっては、昨年9月にイタリアで参戦したラリー・サンマルティーノ以来3度目となるターマック・ラリーへの挑戦となる。これまでラリー・ディ・アルバという大会名で知られていた今回のラリーはイタリア・ラリー選手権及びツアー・ヨーロッパ・ラリーシリーズ(TER)の1戦として開催され、3選手はより一層厳しい競争にさらされることになった。

 ラリーは、イタリア北西部のピエモンテ州を舞台に2日間で8つのスペシャルステージを走行し、その合計距離は101.02km。結果的には、スケジュールの遅れによりRally4クラスの車両は最後の2つのステージを走ることなく終了となった。

 金曜日の短いSS1をクラス11位でスタートした山本は、21台のRally4車両が走行した土曜日1本目のSS2でクラス6位に順位を上げると、その後も一貫したペースで常に7位以内のタイムを記録し、フィニッシュまで順位を守りました。

 小暮は金曜日のSS1、クラス7位で3組中トップでラリーをスタート。土曜日午前のSS3まではクラス7位をキープし山本のすぐ後ろにつけていたが、SS4でパンクに見舞われ、その後ステージの途中で発生したドライブシャフトの破損によりリタイアを余儀なくされた。

 大竹は土曜日のSS2終了時、山本、小暮に続きクラス8位につけていましたが、その後パンクの影響で4分ほどロス、午後は復活しSS5とSS6でクラス9位のタイムを記録し、最終的にクラス15位でラリーを終えている。

山本雄紀(クラス6位):「とてもポジティブなラリーとなりました。また新しい経験でしたが、良いペースで走れたのでよかったです。今回のラリーではインカットが必要なコーナーがたくさんありましたが、自分たちが昨年参戦したラリーではあまりそのような場所がありませんでした。自分のペースノートに「カット」が入っていなかった場所にも前走車のカットしたラインがあり、そこに自分のラインをいかに合わせていくのかが一番のチャレンジでした。今回は序盤からペースはかなり良かったので、そのペースを貫き、ナチュラルなドライビングを心がけました。うまく行ってとても嬉しいです」

大竹直生(クラス15位):「久しぶりのターマックラリーで、自分にとってはまず完走することが一番だったのでそこについては満足しています。土曜日の朝、最初のSS2に入る前のロードセクションでスローパンクチャーがあり、タイヤ交換をしました。そしてステージ上でまたパンクをしてしまい、SS3ではその前に交換したタイヤを再度使わざるを得ませんでした。ですが、そのタイヤではSS3の最後まで持たず、多くのタイムを失うことになりました。それ以降のドライビングに関しては悪くなかったと思います。リスクとタイムの良いバランスを取ることが難しく、少し慎重になりすぎたセクションもありましたが、良いセクションもあったと思っています。インカットするコーナーでとても大きい石があって注意が必要だったり、今回は路面のコンディションをどのように感じとるべきかを多く学び、良い経験になりました」

小暮ひかる(ドライブシャフト破損でリタイア):「たくさん雪の路面を走ってきたあと、再び舗装路のラリーを走ることをとても楽しみにしていました。事前テストでとても良いフィーリングを得られ、シェイクダウンや序盤のステージもそれが続き、ペースノートや全てのことが順調でした。残念ながらSS4の途中でパンクをし、その数百メートル後にトラブルが発生してリタイアとなりました。それほど高速ではなく、テクニカルなセクションがあるなど、日本のステージと似ていると感じたので自信を持って走ることができました。ただ、いくつかのコーナーで内側に尖った石があり、インカットすべきかどうかの判断が難しかったです。とても良い学びの機会となりました」

 ミッコ・ヒルボネン(チーフインストラクター)は3人の戦いを次のようにふりかえっている。

「冬の期間の密なペースノートトレーニングを経て、選手たちがどのようにターマックを走るかをとても楽しみにしてきた。準備に関しては全てがうまくいき、ターマックはかなり久しぶりとなったが、事前テストでフィーリングを取り戻し、すでにクレバーなアプローチができていた」

「ラリー本番に関しては、山本は冬のラリーに引き続き、とても良いラリーとなった。地元のドライバーは道を熟知していて非常に速いので彼らに対抗することはとてもタフだが、山本は競争力あるスピードで走りきっていた。小暮は不運だった。サーキットでのバックグラウンドがある彼はターマックラリーをとても楽しみにしていたし、我々も彼の自信を感じ取ることができた。リタイアを余儀なくされたのは本当に残念だが、走れたステージではスピードを見せてくれたし、今回のラリーでより自信を得てくれていればと思う」

「大竹も少し不運だったが、パンクの後は戦いに復帰して全ステージを走り切ることができたので良い経験ができたと思う。遅延のためのステージキャンセルで望んでいた走行マイレージは得られなかったが、運転に関しては3選手全員にとって非常にポジティブな週末になった」

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生たちは、5月19〜21日に開催されるラリー・ポーランドにおいて今年初めてのグラベルラリーに参戦する。2017年までは世界ラリー選手権の舞台であったミコワイキを中心にした、ヨーロッパ選手権の一戦として、高速のグラベル路面を新進気鋭の若手ドライバーたちとの戦いに挑戦する。