今月末に行われるワールドモータースポーツカウンシル(WMSC)では、2023年の世界ラリー選手権のカレンダーが見えてくるはずだ。注目されるのは、噂される北アメリカのWRC復帰が実現するのか、COVID-19のパンデミックで中断していた中南米のラウンドが何戦復帰し、そしてヨーロッパのラウンドがどのようにシャッフルされるかだ。
WRCプロモーターは以前から、将来のWRCカレンダーの半数はヨーロッパ圏外のイベントで構成してよりグローバルな選手権にしたいとの希望を明らかにしてきた。コロナの沈静化によって来年には2020年のラリー・メキシコを最後に中断していた中南米ラウンドも再開されると考えられており、14ラウンドで構成されると見られる来季のカレンダーのおそらく半数にあたる6〜7ラウンドがヨーロッパ圏外で開催されることになると見られている。すでに日本(2025年まで契約)、ケニア(2026年まで契約)での開催が決定しており、2023年の復帰を目指しているオーストラリアあるいはニュージーランドがオセアニアでの枠を争い、中南米のメキシコ、アルゼンチン、チリの3ラウンドに加えて、新たに北アメリカでのグラベルラウンドのカレンダー入りが検討されているとの情報もある。
ヨーロッパ・ラウンドがカレンダーの半数である7戦ないし8戦になるとすれば、来季はこれまで以上に狭き門になりそうだ。モンテカルロは複数年の長期契約をもっているとされ、イタリアとギリシャとフィンランドは2023年まで、スウェーデンは2024年までの契約をもっているため、すでにヨーロッパ・ラウンドの残りはあと2戦か3戦となる計算だ。
クロアチア、ポルトガル、エストニア、英国(北アイルランド)、ドイツ、スペインが残り枠を争うことになると見られるが、エストニアは2026年までの延長についての交渉が始まっていることを示唆しており一歩リードか。また、ドイツメディアはラリー・ドイッチュランドを主催するADACがルートプランについて期限とされていた6月までにWRCプロモーターに提出できなかったことから4年連続でカレンダーから外れることは確定的だと考えられている。