WRC2025/07/23

3期生の松下拓未がエストニアでWRC3初優勝

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム3期生の後藤正太郎と松下拓未が、先週末行われたWRC第8戦ラリー・エストニアに出場、松下はWRC3選手権で初優勝を飾り、後藤はWRC3選手権4位で完走した。
 
 3期生の後藤と松下にとってラリー・エストニアへの出場は今回が初めてとなり、今シーズン、マシンを前輪駆動のRally4カーから、4輪駆動のルノー・クリオRally3へと乗り換えて臨んだ3戦目のグラベルラリーとなったが、それでも二人はラリー開始直後から速さを披露することになった。

 松下はプレイベントテストで大きなアクシデントに見舞われ、レギュラー・コドライバーのペッカ・ケランダーに怪我はなかったが、痛みを感じていたためエストニアを欠場することになり、代わってヴィッレ・マンニセンマキが代役を務めることにった。マンニセンマキは2023年のフィンランド選手権のチャンピオン・コドライバーであり、今季から4期生の柳杭田貫太のコドライバーを務めており、父親のリスト・マンニセンマキはトミ・マキネンとともに2度のワールドラリーチャンピオンを経験している。

 松下はコドライバー交代の影響もなく、徐々にペースを上げていき、多くのステージを2、3番手のタイムで走行し、ベストタイムも2回記録。土曜日の午前までWRC3選手権2位につけていたが、午後3つ目のSS15で首位につけていたライバルがクルマのラジエターにダメージを負ってストップしたこともあり、トップに浮上。SS16以降は最終日まで全ステージを2番手タイムで走行して最後まで首位を守り、WRC3出場4戦目で初優勝を飾ることになった。

 一方、後藤とコドライバーのユッシ・リンドベリは、木曜日のSS1で2番手タイムを記録。金曜日最初のSS2では横転を喫するも、SS3では3番手タイムを、SS4ではベストタイムを刻むなど序盤から速さを示した。残念ながら後藤はSS5で岩に当たり右フロントサスペンションにダメージを負い、デイリタイアを余儀なくされたが、修理されたクルマで再出走した土曜日には、速さと安定性を高い次元で両立させ、2、3番手のタイムに加え、3つのベストタイムを記録。さらに、最終日は3ステージ全てにおいてベストタイムを刻むなど大きくパフォーマンスを向上させ、WRC3選手権4位でラリーを走り抜いた。

ミッコ・ヒルボネン(チーフインストラクター):
「エストニアでのドライバーたちの走りは本当に素晴らしいものでした。松下のラリーに向けての準備は順調ではありませんでしたし、大きなアクシデントを経験した後、このような高速ステージで自信を取り戻すことは簡単ではありません。彼はとても忍耐強く走り、ハードに攻め過ぎることもありませんでしたが、最終的にそのアプローチが報われました。これは素晴らしい結果ですし、スマートなドライビングと、アクシデントからの力強い復活を成し遂げた一週間でした」

「後藤は金曜日に小さなミスを犯しましたが、その後のペースは非常に良かったので、ミスさえなければ上位を争うことができたはずです。ラリーは長く、このようなミスを避ける必要がありますが、それでも以前の彼のペースから考えると、これは大きな進歩です。3人ともラリー・フィンランドに向けて十分な準備ができたので、良い戦いをし、さらに前進するための準備は万端だと思います」

松下拓未:
「この結果に本当に満足しています。金曜日の朝は泥が多く非常にトリッキーなステージだったので、ややスローなスタートでしたが、その後はフィンランドで慣れている道に似たステージが続きました。全体的にフィンランドよりも道の読みが難しく、非常に正確なペースノートが必要でした。週末を通じて堅実で一貫性のある走りを続けられたことが、この結果につながったと思います。ペッカ、ヴィレ、そしてチーム全員の一週間を通してのサポートに感謝します。これでラリー・フィンランドに向けて自信をつけることができたので、本当に楽しみです」

後藤正太郎:
「エストニアの道はフィンランドの道に似ていますが、路面は大きく異なりグリップがやや低いため、最初は完全に信頼することが難しく感じました。ドライビングのリズムは金曜日の朝から良かったのですが、少しプッシュし過ぎてしまい、最初のステージでクルマを横転させてしまいました。小さなミスでしたが、予想以上に路面が滑りやすかったことが原因です」

「幸いにも走り続けることができ、そのステージの2回目の走行では最速タイムを記録することができました。しかし、次のステージでコーナーを少し深くカットした時、内側にあった岩に当たってしまいました。インストラクターからはスピードとリスクのバランスを見つけるように指示されましたが、土曜日と日曜日はその指示に従って走ることができたと思いますし、大きなミスを犯すことなくベストタイムを何回か記録することもできました。ですので、ラリー・フィンランドを前に改善を進めることができたと感じています」

 3期生の次戦は、7月31日から8月3日にかけて開催されるWRC第9戦ラリー・フィンランドとなる。また、今年のラリー・フィンランドでは、Rally4カーをドライブする駆るフィンランド人ドライバーのヤルッコ・ニカラのコドライバーとして、4期生の前川富哉が初めてWRCに出場する。