WRC2025/04/29

3期生松下と後藤はカナリアスWRC3の4、5位

(c)Toyota

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 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム3期生の後藤正太郎と松下拓未が、WRC初開催のターマックラリー、ラリー・イスラス・カナリアスに出場、松下はWRC3カテゴリー4位、後藤は5位で完走した。

 チャレンジングプログラムの3期生である後藤と松下は、昨年の初めにプログラムに参加して以降、ターマックラリーに関しては今回が2度目の出場となる。WRCでも2月のラリー・スウェーデン以来の2戦目となり、ふたたびルノー・クリオRally3でスタートを切っている。

 後藤と松下のメインターゲットは、3日間のラリーを通じて経験を積むことだったが、二人とも早めに自信を築き、WRC3カテゴリーをリードする経験豊富な選手たちと比べても、比較的良いペースを着実に築いている。その成果は、何度か2、3番手のタイムを刻んだことでも証明され、4位と5位という最終リザルトに繋がっている。二人は大きなミスもなく接戦を続け、0.5秒差で迎えた最終ステージで2番手タイムを奪った松下が、後藤を1.5秒差で抑えて初出場のラリーをフィニッシュした。

後藤正太郎:「本当に良いラリーでした。ターマックラリーへの出場は今回が2回目だったので、ゼロからスタートしたような感覚でした。どこでブレーキをかけるのか、どこを狙うのか、どこを見るのかなど、このような道でどのように走るべきかを学ぶ必要がありました。初日はトップのドライバーたちと比べて、自分がなぜこんなに遅いのか全く分かりませんでしたが、その後ペースが改善されたので本当に良かったです。自分たちのクラスでトップのドライバーたちは、このような路面での経験が豊富だったので、そのことを考慮すれば自分には速さがあったのではないかと思います」

松下拓未:「素晴らしい週末になり、ラリー期間を通じて大幅に上達することができました。金曜日は少し苦戦しましたが、土曜日から大きく改善し、タイムを上げて上位に近づくことができました。日曜日はクルマのバランスが非常に良く、リヤが上手く旋回しているように感じられ、タイムも良好でした。ステージは本当に素晴らしく、ハイスピードでコーナーも良い流れでしたが、時々非常に速いセクションの後に、かなりツイスティなセクションが続くため、その点を考慮してドライビングを調整する必要がありました。そのことが、今回もっともチャレンジングな部分だったと思います」

 チーフインストラクターのミッコ・ヒルボネンは次のようにふり返っている。

「松下と後藤は、このようなラリーに参加できることに興奮していましたし、二人とも素晴らしいパフォーマンスを発揮しました。ターマックでの経験が豊富なフランスの速いドライバーたちと比べても、彼らは週末を通じて大きく成長し、最後まで競い合っていました。プレッシャーに耐えながらミスを犯さずにプッシュする方法を学ぶ上で、それは素晴らしい経験になったと思います」

 3期生の松下と後藤の次戦は、5月15日から18日にかけて開催される、WRC第5戦ラリー・デ・ポルトガルとなる。