WRC2021/06/29

91歳ザサダは最終ステージでストップ、完走を逃す

(c)M-Sport Poland

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 91歳のソビエスワフ・ザサダは、先週末に行われたサファリ・ラリー・ケニアにおいてWRC史上最高齢のドライバーとして歴史に名を刻んだが、残念ながら最終ステージでマシンを止めることになりリタイアに終わることになった。

 ポーランド出身のザサダは、1997年のサファリ・ラリーに出場以来、競技から引退してきたが、Mスポーツ・ポーランドのフォード・フィエスタRally3を駆って19年ぶりにWRCに復活したサファリ・ラリーに帰ってきた。

 ザサダは、木曜日のよりにナイロビで行われたスーパーSSを47番手タイムからスタートすることになった。サファリは金曜日にナイバシャ湖の周辺のサバンナに舞台を移して、いよいよ本格的なスタートを切ることになり、多くのトップドライバーでさえその過酷なステージでリタイアに追い込まれることになったが、ザサダは非常に冷静で効果的な走りをして、レグ1を24位で終えることになった。

 土曜日のステージではパンクもあり、突然の豪雨もあったために29位までポジションを落としたが、日曜日には順位を25位に上げて最終ステージを迎えたが、残り3km地点でスタックして身動きできなくなってしまった。

「今年のサファリを終えるまであと3kmだった。運が悪く、砂のわだちにはまってしまったんだ。サファリは世界一難しいと言われるだけのことはあった。大変なラリーだったが、最終日も厳しい1日だった」とザサダはふり返った。

 ザサダのコドライバーを務めたボリスワフスキは、リタイアしたときの状況を説明してくれた。

「同じステージの1回目の走行後、2回目の走行では、WRカーが先に走行したことで路面が大きく損傷し、すごく深いわだちができていた。スタートリストの後半にいる僕らのような弱い車は、もう前に進むことができないことが明らかになった。マシンをスタックさせてしまい、後ろから来た他の2台のラリーカーに追突されてしまった。このセクションはWRカーとそれ以外の競技者を走らせるのは困難だよ」

 ザサダは、不運のためにサファリをゴールするという夢が絶たれたことへの失望を隠さなかったが、ふたたび挑戦する気持があると語り、世界を驚かせている。

「私は一貫して自分のペースで運転してきて、もうすこしでゴールを迎えるところだった。運が悪かったが、ラリーではそういうこともある。最終日のあのセクションでは、私だけでなく多くのラリーカーが非常に困難を抱えていた。わだちが深すぎて、アンダーガードを擦ってしまったよ」とザサダは語った。

「長い間、あのような道で運転をすることは不可能だと思っていたが、サファリ・ラリーに戻るのは素晴らしい経験だった。2030年あたりにはまた戻ってきたい、そのころ私は100歳になるけどね!」