アジア-パシフィック・ラリー選手権(APRC)の中国ラウンドはこれまで本拠地としていた浙江省の龍游(ロンユー)から、内モンゴル地区の近くに位置する甘粛省の張掖(チャンイェー)に移動となる。
チャイナ・ラリー・チャンイェーは、中国ラリー選手権(CRC)としては例年開催されており、2013年にはいくつかの欧米チームが視察に訪れるなかでWRCキャンディデートイベントとして開催され、FIAによってコースの調査が済んでいる。
しかしながら、内モンゴルのチャンイェーまでの移動には北京から車で3日間を要するため物資の輸送などのロジスティックス面においてチーム側からの反対意見が多く、世界選手権開催のベースとしては不適格との判断がなされ、けっきょくWRCの開催地は北京近郊の懐柔(ファイロウ)が決まっている。
こうした経緯でチャンイェーはWRCの開催を断念することになったものの、引き続きインターナショナルイベント招致を当局に働き続けてきたとされており、今回、その努力が実ってAPRC開催を勝ちとることになったと見られている。
チャイナ・ラリー・チャンイェーのステージは広大な草原がメインとなり、高低差やブラインドコーナーがないのが特徴となっており、砂漠公園で行われるスーパーSSは遠くに雪山がそびえ、雄大なシルクロードをうまく表した人気の高いステージになっている。
2015年のイベントではマーク・ヒギンズとダレン・ガロッドがスバル・インプレッサで優勝しており、ラリー関係者によればチャンイェーはシルクロードへの観光地として人気のある地域にあるため、町には十分な宿泊施設は整っているという。
チャイナ・ラリー・チャンイェーは今季APRCの第3戦として8月5〜7日に開催が予定されている。