APRC2016/05/01

APRC開幕戦はチームMRFのギルが逆転優勝

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 2016年のFIAアジア-パシフィック・ラリー選手権(APRC)開幕戦のインターナショナル・ラリー・オブ・ワンガレイは5月1日に最終日を迎え、チームMRFシュコダのガウラブ・ギル(シュコダ・ファビアR5)がチームメイトのファビアン・クライム(シュコダ・ファビアR5)を逆転して優勝を飾っている。

 インターナショナル・ラリー・オブ・ワンガレイの最終日は、ホストタウンが置かれるワンガレイの南部に設けられた6SS/120.92kmが決戦の舞台となった。前夜に雨が濡らしたため、やや湿り気をもった路面となり、初日トップで最終日を迎えたクライムにとっては絶好のコンディションになったようにも見えたが、ターボブーストを失い、ギルの逆転を許すことになる。

 初日、40秒あまりをリードしていながら最終ステージのパンクで4.6秒差の2位で最終日をスタートしたギルは、オープニングステージで逆転したあとも快調なペースを刻み、9.3秒をリードして朝のループを終えることになる。サービスでセットアップを変更した彼は午後のループではペースをアップ、最終的には30.4秒をリードして2年ぶりにワンガレイでの優勝を飾ることになった。

「僕にとってもチームにとっても素晴らしいリザルトになったね。今日はなにが起きてもいいようにチームメイトとの差を開けようと思ってプッシュしたんだ。ファビアR5のセットアップはまだ完璧ではないがかなりよくなったし、選手権にとってもいいスタートができた」とギルは喜びを語っている。

 いっぽう、シュコダに抜擢されてAPRC選手権を追うことになった若きクライムは、最終日にポジションを落とすことになったとはいえ、初出場のグラベルイベントでの2位表彰台に喜びを隠せない。

「初めてのグラベルで素晴らしい経験ができたよ。それに今日はとてもいいペースで走ることができたからね。最後のステージではターマックセクションで雨が降って非常に滑りやすくなっていたが、でもそれもとても楽しんだよ」とクライムは語っている。

 3位にはクスコ・レーシングがプリペアしたスバル・インプレッサWRX STIを駆ったマイケル・ヤング。電気系の問題により14分10秒遅れとなったものの、彼はグループNマシンながらシュコダのR5マシンに対して最終日もトップタイムを奪う健闘をみせている。

「金曜日のトラブルのあと14分のペナルティを受けてリスタートとなってしまったのは残念だったが、3位の表彰台に立つことができたのは満足だよ」とヤングは語っている。

 日本から出場したチェリッシュ・ラリーチームの河原 誠(三菱ランサーエボリューション)は4位、5位につけていた小泉達男(スバル・インプレッサWRX STI)はSS12でメカニカルトラブルのためストップしている。

 また、クスコ・レーシングがサポートするサンジェイ・タクル(スバル・インプレッサWRX STI)は初日の最終ステージで電気系のトラブルのためストップしたあと、最終日にリスタートしたものの、オープニングステージで橋に接触したあとリタイアとなっている。

 併催されているニュージーランド・ラリー選手権第2戦は、デビッド・ホルダー(三菱ランサーエボリューションVIII)がエマ・ギルモア(スズキ・スウィフトMR)に1分29.6秒差をつけて選手権初優勝を飾っている。なお、優勝したホルダーのマシンは2007年にヘイデン・パッドンがここワンガレイで優勝したマシンそのものだという。

 また、ラリー・アルゼンチンでWRC初勝利を飾ったパッドンはその勢いを駆ってヒュンダイi20 AP4で出場、デファレンシャルのトラブルで初日にリタイアしたものの、リスタートした最終日には6SSすべてにおいてトップタイムをマーク、貫禄の速さをみせている。

「ヒュンダイi20 AP4にとっては将来のためにいくつかのパーツを開発しなければならないことが明らかになったが、昨日の問題を修正したので今日は6SSすべてでトップタイムを出すことができたよ」とパッドン。「デイブ(=ホルダー)にとってはこれがニュージーランド選手権での初優勝になるね。祝福をしたい。彼のクルマは実は僕が以前にここで勝ったクルマなんだ。9年前、初めてのラリーの優勝が同じイベントで、このマシンなんだ!」

 APRC次戦はオーストラリアのサンシャインコーストで行われるインターナショナル・ラリー・オブ・クイーンランドとなる。