ヨーロッパ・ラリー選手権の次戦として9月17-19日に予定されているラリー・アソーレスは、主催者のグルーポ・デスポルティーボ・コメルシアル(GDC)による開催にむけた必死の努力が実らず、キャンセルを余儀なくされることになりそうだという。
主催者のGDCは先週、アソーレス諸島の地域保健局の勧告に基づいて無観客での開催を決定したと発表したが、RTP(ポルトガル国営放送)アソーレスTVは週末のニュースにおいて、イベントの準備はすでにストップし、すでに主催者は一部のサプライヤーと契約していたサービスのキャンセルを命じたと報じている。
また、アソーレスで発行されるコレオ・ドス・アソレス紙は土曜日、アソーレス州政府とGDCはすでにラリー・アソーレスのキャンセルについて合意に至っていると伝えるとともに、主催者が数カ月にわたって地域保健局による指示を守り、地域住民の健康を損なうことがないよう開催を準備してきたにもかかわらず、当局の指示は一貫したものではなく、相次ぐ曖昧な指示によってイベント直前という最悪でのタイミングでのキャンセルを招き、主催者に多額の負債を生じさせたとして当局の対応を批難している。
主催者はいまのところ声明を発表していないものの、すでにFIAとERCプロモーターのユーロスポーツ・イベンツに対してキャンセルの申請が行われているとの情報もあり、ラリー・アソーレスの代替えイベントとして、ポルトガル本土で行われるラリー・ファフェ・モンテロンゴのERCカレンダーの追加に関するニュースが同時に発表されるかもしれないとの情報もある。
FPAK(ポルトガル自動車とカートレース連盟)とユーロスポーツ・イベンツはこれまで、来季以降についてラリー・アソーレスに代わってグラベル・ラリーのラリー・セイハス・ド・ファフェをERCカレンダーに加えることを協議していると伝えており、ラリー・セイハス・ド・ファフェを運営するデモポルト・クラブが主催するラリー・ファフェ・モンテロンゴを今季についてはカレンダーを補うためにERCとして開催するための協議が進んでいるとされてきた。
いずれにしてもラリー・ポーランドとチェコ・ラリー・ズリーンに続き、ラリー・アソーレスがキャンセルとなった場合には、今季ERCはターマック3戦+グラベル2戦の全5戦のシーズンになる。10月3-4日に予定されるターマック・ラリーのラリー・ファフェ・モンテロンゴがERCカレンダーに加わった場合には、ターマックが4戦になることによるバランスの問題がカレンダー改訂の争点でもあるようだ。
ERCコーディネーターのジャン-バティスト・レイは、ラリー・フェイ・モンテロンゴをERCに加えるための話し合いがあることについては認めていたが、いまのところ合意はまだ成立していないようだ。
「ユーロスポーツ・イベンツはラリー・フェイ・モンテロンゴの主催者と2020年ERCとして開催することについて話し合っている。しかし、議論は継続中であり、議論がまとまるまではこれ以上のコメントはできない」