ERC2017/08/04

ERCジェシュフ、R5マシンが26台出場へ

(c)ERC

 今週末にポーランドで開催されるヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第5戦ラリー・ジェシュフには記録的な26台のR5マシンがエントリー、このイベントが初めてERCカレンダーの一戦として開催された昨年よりも13台も増えている。

 8月4〜5日に11SS/214.63kmのターマックステージで争われるラリー・ジュシェフには、ERCのほか、ポーランド選手権、セントラル・ヨーロッパ・ゾーン選手権の3つの選手権合わせて96人のドライバーが参戦し、そのうち45人のドライバーがERCポイントを追う。

 なんといっても今回のラリー・ジェシュフでもっとも注目されているのは、アレクセイ・ルクヤヌクのERC復帰だ。彼は5月初めのラリー・イスラス・カナリアスで勝利した数日後、母国ロシアでテスト中にクラッシュし、大ケガを負った。しかし、彼は懸命に回復に努め、チャンピオンシップへの挑戦を軌道に戻すために、予定よりも1カ月早く帰ってくることを決意した。

 ルクヤヌクは2つのイベントを逃してしまったものの、ERCドライバー選手権は最高8つのイベントの中から6つの最良の結果をカウントすることになっているため、今季の後半のイベントに参戦することが出来れば、タイトル争いに留まることは十分可能だ。まずはフォード・フィエスタR5で参戦する今週末のイベントでどこまでの速さをみせるのかライバルたちは注目していることだろう。

 ルクヤヌクのライバルとなるのは、現在、選手権をリードする3度のポルトガルチャンピオンのブルーノ・マガラエス(シュコダ・ファビアR5)だ。彼は前戦キプロスではノーポイントに終わったものの、2度のヨーロッパ・チャンピオンを獲得しているカイエタン・カイエタノビッチを14ポイント差でリードしている。

 地元ポーランドの英雄であるカイエタノビッチにとっては負けられない一戦だ。Mスポーツのフォード・フィエスタR5はポーランドのクラクフ・ファクトリーで製作されたニューマシンであると同時に、LOTOSラリーチームにとっても母国ラウンドとなり、まさしくチーム全体が地元の意地をかけて立ち向かうことになる。

 選手権の常連以外で優勝争いに加わるとみられるのが、2度のノルウェー・チャンピオンでWRCのイベント勝者でもあるマッズ・オストベルグだろう。アダプタ・モータースポーツのフォード・フィエスタR5で出場するオストベルグは今回、新しいコドライバー候補のパトリック・バースとのコンビネーションを試すことを目標としているが、彼にとってのターマック・イベントは昨年の10月以来となる。

 ポーランドで3回のタイトルを獲得、ラリー・ジュシェフで4回の勝利を獲得しているブライアン・ブフィエ(フォード・フィエスタR5)は、チャンピオンシップを勝利した経験を持つドライバーの一人であり、今回の優勝候補の一人だ。

 他にも、ラトビアのニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)、フランス・ターマックのチャンピオンのシルヴァン・ミシェル(シュコダ・ファビアR5)、トルコ選手権で2度の王者であり2015年FIAヨーロッパ・ラリー・トロフィーの勝者でもあるムラート・ボスタンチ(フォード・フィエスタR5)が注目どころとなっているほか、3度のERC王者ルカ・ロセッティ(トヨタGT86 CS R3)はERC3の優勝を狙っている。

 また、2015年のポーランド選手権チャンピオンのウーカシュ・ハバイ(シュコダ・ファビアR5)はERC初表彰台に意欲をみせるほか、アクロポリスに続く今季2度目の表彰台を狙っている2016年ポーランド・チャンピオンのグジェゴシュ・グジェブ(シュコダ・ファビアR5)が地元からの有力勢だ。

 ラリー・ジェシュフに参戦する21人のERCジュニア選手のうち、8人のドライバーがERCジュニア・アンダー28カテゴリーに臨み、13人がERCジュニア・アンダー27で勝利を目指す。U28ランキング1位につけるマリヤン・グリーベル(シュコダ・ファビアR5)はラリー・ルクセンブルクでキャリア初優勝を飾った勢いで臨み、3ポイント差の2位につけるプジョー・ラリーアカデミーのぺぺ・ロペス(プジョー208 T16 R5)も選手権でのチャンスを虎視眈々と狙っている。