ERC2021/08/31

ERC初勝利逃したツアイスに罰金の追い打ち

(c)Barum Czech Rally

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 バルム・チェコ・ラリー・ズリーンの初勝利までわずかの10kmあまりを残したところでクラッシュしたエリック・ツアイスは、ショックのために錯乱状態に陥り、マシンをコースから排除しようとしたマーシャルを妨害したとして5000ユーロ(およそ65万円)の罰金の支払いを命じられた。

 22歳のツアイスは、地元ズリーン市で行われたチェコ伝統の一戦でヤン・コペツキに20秒ものリードを築いて最終ステージを迎えていたが、予期せぬ雨によって湿っていた森のなかの右コーナーでアウト側のダートでリヤをスライドさせてクラッシュ、リタイアとなってしまった。

 ツアイスのフォード・フィエスタRally2はコースを半分ふさいだ形で横倒しになってストップ、駆けつけたマーシャルがマシンをコースから排除しようとしたものの、彼は泣き叫びながらその要求を拒んでコースに横になるなどして作業を妨害、スペシャルステージはキャンセルせざるをえなかったという。

 ツアイスが所属するヤッコACCRチームのチームオーナー、ヤレク・オルサークは、スチュワードミーティングにおいて「事故の後、ドライバーと電話で話したが泣いていて、感情のコントロールができていなかった。彼には故意にルールを破る意図はなかったが、すべてを失ったことで取り乱し、誰にも触られないようにして、後続のマシンがステージをスタートできないように道を塞いだようだ」と説明したという。

 レギュレーションでは、競技者はオフィシャルの指示が正しいか正しくないかは関係なく、その指示に従わなければならないことを明記しており、主催者はツアイスの行為はイベントの安全な運営を妨害するものでありこれを容認することができないものだったとして、48時間以内に5000ユーロの罰金を支払うよう命じている。

 ツアイスはサービスに戻ってきたあと落ち着きを取りもどして、アクシデントが発生したときの状況を次のように説明している。

「ミスをしてしまった。本当にがっかりだよ。予想よりスリッピーだった。少しストレートがあってライト5のコーナーに進入したところ、ブレーキングはうまくいっていたが、それほど滑らないだろうと思っていたら、左リアから滑ってしまい、戻せなくなってしまった」

「ディッチの中の何かにぶつかって大きな衝撃あり、ホイールが壊れ、1度だけ転がってそのまま横になってしまったんだ。小さなミスが取り返しのつかない結末となってしまったよ。ごめんなさい、みなさん。いくつかのステージでは、ズリーン市、そしてチェコのファンに誇れるような走りを見せることができていたのに・・・。心に痛みはあるが、今は次戦のアソーレスでは強くなって戻らなければならない・・・」