FIAヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)の最終戦クロアチア・ラリーの予選ステージが行われ、選手権リーダーのミコワイ・マルツィック(シュコダ・ファビアRS Rally2)がトップタイムをマーク、タイトル決戦に向けて大きなアドバンテージを手にした。
クロアチアのザグレブ近郊で行われるクロアチア・ラリーは、千の顔をもつ路面と称され、あまりにもグリップレベルの変化が複雑であることから世界最難関のターマックの一つに数えられる。ラリーカーの走行によって路面はどんどん汚れるため、予選でトップタイムを奪ったマルツィックは、一番手のポジションでもっともクリーンなステージを走ることができる。
マルツィックが明日のスタートに向けて絶好のポジションを獲得したことを喜ぶ一方で、選手権のライバルであるアンドレア・マベリーニ(シュコダ・ファビアRS Rally2)は、6.12kmのフロシェヴィツ・ステージでコースアウト寸前になってしまい、マルツィックから3.3秒遅れの8番手タイムに終わってしまった。
「最初のコーナーで完全にアウトになってしまい、5秒ほどロスしてしまった」とマベリーニは語った。「僕にとっては最悪のステージだった。こういうラリーでは、正しい路面ポジションからスタートすることが重要だ。こういう状況では難しくなった」
マルツィックは、マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 Rally2)を0.8秒差で破り、最速タイムをマークした。
「明日のスタートポジションは大きなアドバンテージになる可能性があるので、(良い結果だったと)願っている。ベストを尽くしていたが、残念ながら1、2回、ひやりとした瞬間があった。オストベルグはこのように汚れた路面での走り方を知っているので、どうなるだろうね」とマルツィックはコメントした。
「選手権では厳しい週末が待ち受けていることは間違いない。アンドレアにとっても、ジョンにとっても容易なことではないだろうが、今シーズンずっとやってきたように、良いラリーができることを願っている」
キャリア通算300戦目のスタート、そしてコドライバーのロルカン・ムーアとの初めてのラリーに臨むオストベルグに続き、最近ポーランド・チャンピオンに輝いたヤクブ・マトゥルカ(シュコダ・ファビアRS Rally2)が3番手タイム。続いてロベルト・ヴィルベス(シュコダ・ファビアRS Rally2)が4番手タイム、わずかではあるもののタイトルの可能性をもつジョン・アームストロング(フォード・フィエスタRally2)が5番手タイムで続いている。
2023年ジュニアERCチャンピオンのノルベルト・マイオール(シトロエンC3 Rally2)は6番手タイム。オーストリアで複数回タイトルを獲得しているシモン・ワグナー(ヒョンデi20 N Rally2)が7番手で続いている。
また、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム2期生の山本雄紀(トヨタGRヤリスRally2)は14番手タイムとなっている。