2025年FIAヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)のタイトル争いは、10月3日から5日にかけて開催されるクロアチア・ラリーで、三者によるスリリングな争いに決着がつく見込みだ。
ミコワイ・マルツィック、アンドレア・マベリーニ、ジョン・アームストロングの3人が今シーズンのERCチャンピオンに輝く可能性があり、歴代チャンピオンの仲間入りを果たすことになる。
白熱した7ラウンドを経て、ポーランド人ドライバーのマルツィックが、イタリア人ドライバーのマベリーニに対し、ドロップスコアルール下でわずか2ポイントの差をつけてチャンピオンシップの主導権を握っている。アイルランド人ドライバーのアームストロングは、マベリーニを18ポイント差で追っている。
Mスポーツ・フォード・ワールドラリー・チームのアームストロングがタイトルを確定させるには、クロアチアで獲得できる35ポイントのうち、ほぼ完璧な34ポイントを獲得する必要がある。それも、マルツィックが7位以下、マベリーニが6位以下でフィニッシュすることが条件となる。
アームストロングは、JDSマシナリー・ラリー・セレディギオンでERCイベント初優勝を果たした勢いのままクロアチアに臨む。彼はクロアチアに過去2回出場しており、1回出場しているマルツィックや、まだ出場歴のないマベリーニに比べて現地での経験が豊富だ。
「チャンピオンシップを勝ち取るのは簡単ではないだろう。クロアチアはスリッパリーなラリーだ」と30歳のアームストロングは語った。「この時期は路面に土や落ち葉などがたくさんあるので、予期せぬトラブルが発生する可能性も十分にある」
一方、29歳のマルツィックは次のように語った。「全ラウンドを通して安定した好調な走りを見せてきたが、クロアチアではさらに特別なパフォーマンスを見せなければならない。それが僕の目標だ。1ポイント1ポイントが本当に重要となる。常に努力し、自分の強みを活かし、弱点を打ち消したい」と語った。
26歳のマベリーニは、JDSマシナリー・ラリー・セレディギオンのパワーステージで5ポイントを獲得し、タイトル争いでの地位を固めた。彼は次のようにコメントした。「パワーステージは、チャンピオンシップの行方を左右する重要なステージだったが、僕たちは最大限のポイントを獲得した。僕たちのメンタルの強さを証明できたと思う。勝利を目指して戦うつもりだ。いよいよ勝負が始まる。必ず成し遂げる」