WRC2022/11/22

FIA、ジャパンの混乱は一過性の問題

(c)RedBull Content Pool

 FIAラリーディレクターを務めるアンドリュー・ウィートリーは、ラリー・ジャパンの金曜日に相次いだ混乱は、日本の本質的な問題ではなく一過性のものであると確信していると語った。

 ラリー・ジャパンの金曜日に予定されていた3つのステージはいずれも問題なく進行することができなかった。最初のイセガミ・トンネルはダニ・ソルドのマシン火災に伴って赤旗中断し、イナブダムはその火災による遅れでキャンセルとなり、シタラ・リバースは一般車両がステージに侵入して赤旗中断となった。

 FIAはシタラ・リバースでの出来事について全面的な調査を開始したが、スチュワードの審問では、一般車両が実施中のラリーステージに競技車両と反対方向に侵入したことについて、すでに主催者のセーフティのプロトコルに落ち度があったと断定している。

「主催者にとっては、とても難しい状況のスタートとなった」とウィートリーは語った。「彼らはイベント前の準備で非常に良い仕事をした。間違いなく世界レベルの仕事だ。現時点でWRCは非常に幸運に恵まれている」

「それは、我々は世界中を回っているが、世界中どこに行っても110%の努力をしてくれる主催者がいるからだ。すべてのイベントは、非常に厳しいガイドラインとプロトコルの中で運営されており、彼ら(日本の主催者たち)もそのプロトコルの中で運営している」

「金曜日の朝に起こった状況は、非常に難しいものだったが、私はそれが単発のインシデントであり、地域特性に起因するものではないと確信している。主催者たちがその重大性を理解していることは間違いない」

 問題があった金曜日のあと、FIAはより安全なラリーを終えるよう主催者にいくつかの課題を急遽与えたため、いくつかのステージがその影響を受けることとなった。河川敷で行われる土曜日のオカザキ・スーパーSSではダイバーを待機させるために1時間遅れでスタートし、連続して走る2回目の走行はキャンセルとなっている。

 また、大雨となった最終日のパワーステージでは、セーフティのためのヘリコプターが飛行できないことから、FIAは他のステージに待機していたすべての救急車やセーフティのための車両を最終ステージのアサヒ・コウゲンに集めることを指示、あわやキャンセルになるのではないかとの恐れもあったが、主催者の努力でどうにか定刻どおりにステージはスタートしている。

「金曜日は99.8%が良いレベルで運営されていたと言わざるを得ない。土曜日以降はもっと高いレベルで運営されたと思うし、より良いレベルに達していた」とウィートリーは付け加えている。