モータースポーツの国際統括団体である国際自動車連盟(FIA)は、Mスポーツ創設者のマルコム・ウィルソンをFIAスポーツ担当副会長に任命したと発表した。
これまでFIAスポーツ担当副会長を務めてきたロバート・レイドがFIA内部の政治争いを批判して辞職、FIA会長モハメド・ベン・スレイエムはウィルソンを後継者として指名してきた。マカオで開催されたFIA総会で、ウィルソンは投票者の過半数の支持を得たことでFIAスポーツ担当副会長に正式に決定した。
ウィルソンは1997年からフォードのWRCプログラムを担当するMスポーツのCEOを務めており、英国モータースポーツ界の重鎮の一人だ。Mスポーツ社設立以前は、1994年に英国ラリー選手権でタイトルに輝くなどラリードライバーとしても輝かしい成功を残している。
ウィルソンのリーダーシップの下、Mスポーツは2006年と2007年にFIA世界ラリー選手権(WRC)のマニュファクチャラーズタイトルを獲得、2017年には3度目のマニュファクチャラーズタイトルに輝いている。
FIAスポーツ担当副会長は、FIA内で選出される最高位の役職の一つであり、ワールドモータースポーツカウンシルのメンバーとして幅広い責任を負うことになる。ウィルソンは、FIAの声明のなかでモータースポーツの成長と強化に尽力していくことを誓っている。
「FIAスポーツ担当副会長に就任できることを大変嬉しく思います。FIAがモータースポーツの発展と草の根レベルの取り組みの発展という使命を推進する中で、私たちが愛するこのスポーツの未来を形作る一翼を担い、会長と共に選手権の成長と強化に尽力していくことを楽しみにしています」
ウィルソンのFIAスポーツ担当副会長としての役務はあらゆるスポーツに及ぶことになり、世界ラリー選手権の変革にとっても非常に重要な意味を持つものと見られている。ベン・スレイエム会長は、次のようにコメントしている。
「スポーツ担当副会長の役割は、FIAにとって極めて重要であり、マルコム・ウィルソンは豊富な経験を有しています。ドライバーとして、またチームのテクニカルパートナーとして、40年以上にわたり最高レベルのレースに参戦してきた彼の専門知識は、FIAと加盟団体にとって非常に貴重なものとなるでしょう。マルコムをFIAに迎え入れることができ、大変嬉しく思います。彼と共に、あらゆるレベルでモータースポーツを発展させていくことを楽しみにしています」