WRC2017/10/27

GB開幕、トヨタ勢も順調なスタート

(c)Toyota

 世界ラリー選手権(WRC)第12戦ラリーGBが、イギリスのウェールズ北部で開幕。初日のSS1を終えてTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリ-マティ・ラトバラが総合2位、エサペッカ・ラッピが総合6位、ユホ・ハンニネンが総合8位となり、3台揃って順調に競技初日を終えた。

 ラリーGBは、ディーサイドのサービスパークから約50km西北に位置する競馬場内の特設コースで競技がスタートした。SSは全長1.49kmと走行距離は短く、大きなタイム差がつきにくいコースだったが、ラトバラは1位と0.4秒差の2番手タイムを記録。ラッピ、ハンニネンも僅差でトップ10内に入り、明日から始まる本格的なグラベルステージに向けてトヨタ勢は良好なスタートをきった。

 チーフ・エンジニアのトム・フォウラーはウェールズの滑りやすい路面にむけてクルマは十分に仕上がっていると自信をみせた。

「今日はすべてが上手く行った。シェイクダウンは、明日から始まるSSと比較的似ているコースだったので良かったと思う。我々は事前に実りあるテストを行なっていたので、特にセットアップ作業を進める必要はなかったが、パフォーマンスと信頼性の両面において問題がないことを確認できた。ウェールズの路面コンディションは他のグラベルラリーとは異なり、天気が良くても路面は常に湿っていて滑りやすいのが特徴となる。したがってそのような路面に合うようにクルマを仕上げてきた。明日の朝、SSが始まるまでは、どれくらい競争力があるのか分かりませんが、少なくとも現時点ではとても自信がある」

 ラトバラは、グリップレベルが刻々と変化するGBの路面でブレーキングに自信を持つことが重要になると語った。

「シェイクダウンのコースでは、予想していた以上にグリップ力があった。最初の走行ではクルマが少しオーバーステア気味に感じられたけど、微調整をしたところハンドリングは良くなり、クルマにもとても満足しているよ。明日のステージでブレーキングに自信を持つことがもっとも重要になる。ここでは路面のグリップレベルが刻々と変化するからね。僕は2002年に17才で初めてラリーGBに出場し、今回が16回目の出場となる。何も問題なくラリーを走りきって、トップ3でフィニッシュできることを期待している」

 今季これが最終戦となるハンニネンは、苦手なGBだが、初日はグリップを感じられたので自信を持ってスタートができそうに感じている。

「正直なところラリーGBはあまり好きなラリーではないが、シェイクダウンでクルマはとても良くタイムも上々だった。路面は常に滑るというわけではなく、それなりにグリップがあったので少し自信を持つことができた。そして、競馬場内でのSS1も予想していたよりもグリップがあった。明日はデイサービスがない長い1日となるので、速さと安定性のバランスをとったアプローチで臨む必要がある。また、ロングステージのハフレンはレッキの時は泥で覆われていたので、大きな挑戦となるだろうね。リラックスしてドライブすれば、きっとうまく行くはずだ」

 ラッピは、湿ったコンディションへ自信がもてないスタートとなっており、明日も慎重にスタートを切るつもりでいる。

「先週のテストはドライコンディションだったが、今日のシェイクダウンは路面が非常に湿っていたのでグリップレベルを確かめながら走らなくてはならず、走り始めはあまり自信がもてなかった。クルマにもささいな問題がありましたがSS1の前に解決することができた。金曜日はデイサービスがないため、コースを外れるようなことは許されない。かなり大変な1日となるだろう。この2戦は問題なく最後まで走りきることができなかったので、今回はポイント圏内でのフィニッシュを目標に走るよ」