WRC2020/02/08

GRヤリスWRC、2021年デビューにむけて初テスト

(c)Toyota GAZOO Racing WRT

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 トヨタGAZOOレーシングWRTは、GRヤリスWRCの走行テストをフィンランドで開始したことを発表した。GRヤリスWRCは2021年の世界ラリー選手権へのデビューが予定されている。

 トヨタGAZOOレーシングWRT が6日にSNSで公開したショートムービーには、カムフラージュされたGRヤリスWRCが白銀のステージを快走するシーンが映し出されている。トヨタによれば今回のテストはフィンランドで行われたもので、テストドライバーはユホ・ハンニネンが務めているという。

 2022年から新しい技術規定のもとでの次世代WRカーの時代が到来するが、トヨタはわずか1年のためだったとしても、現行の技術規定のなかで2021年にGRヤリスWRCを投入する計画だ。

 今年1月に東京オートサロン2020で世界初公開されたGRヤリスは、トヨタGAZOOレーシングWRTによるこれまで3年にわたる世界ラリー選手権への参戦によって得られた知見をすべて注がれ、まさしくWRCに勝つために誕生したホモロゲーションモデルだ。

 公開された動画でははっきりと分からないが、フロントスポイラーのエアロについては現行タイプに似たものとなっており、フロント開口部から左右に回りこむように2枚ずつの大きなダイビングプレーンを備えている。フロントフェンダーの上部はこれまで同様にフラットなものとなっているが、サイドにはバーチカルフィンを備えているようだ。

 ボンネットの開口部はこれまでフロントウインドウに近いややセンターに開けられていたが、フィエスタWRCのように左右にふりわけて熱気を逃がそうと試みているように見える。

 リヤのエアロについては昨年のトルコから投入されたリヤウイングなど現行タイプをとりあえず踏襲してテストを開始したようにも見える。しかし、ヘアピンを立ち上がるGRヤリスWRCの映像からもわかるようになだらかに後傾している特徴的なデザインをもつルーフの効果によって、リヤのウイングは一段とそそり立っているように見える。

 ダブルウィッシュボーン式のリヤサスペンションが驚くほど長いストロークをもっており、そのルーフはWRカー初となるカーボン製となっているはずだ。