WRC2020/11/14

Mスポーツ、フィエスタRally3を発表

(c)M-Sport

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 Mスポーツは、新しい4WDラリーカーのフォード・フィエスタRally3を発表した。FIAホモロゲーションは来年の3月1日を予定しており、16日から初回注文の予約を開始する。価格は税抜で9万9,999ユーロ(およそ1,230万円)となる。

 フィエスタRally3は、FIAが進めるラリーピラミッドの上位からの第3階層に位置する最初のラリーカーであり、MスポーツはこのマシンでRally1(現行WRカー)からRally5までのすべての階層のマシンを登場させることになる。

 Rally3は、誰もが入手しやすく手頃な価格で本格的な走りを楽しむことができる4輪駆動ラリーカーを目指して新たに誕生するもので、かつてのグループNマシンのように国内・地域・世界レベルのラリーで広く支持されることが期待されている。

 Mスポーツ・ポーランドが開発したフィエスタRally3は、1.5リッターEcoBoostターボエンジンを搭載、ボンネットのエアベントやリヤウイングを備えたアグレッシブは外観をもっている。エンジンの出力は215km、最大トルクは400Nm、5速シーケンシャル・ギヤボックスと4WDシステムを搭載している。

 フィエスタRally3はこれまでにポーランドを含むヨーロッパ各地の様々な路面コンディションのステージや特徴的な閉鎖コースにおいてワールドクラスのドライバーたちによって開発作業が行われ、他の追随を許さない信頼性を確立てきたという。

 Mスポーツ・ポーランドのクラクフのファクトリーでは、すでにフィエスタRally3の生産を開始しており、11月16日から初期ロットの注文を受け付けているという。2021年3月1日のホモロゲーションを目指してこの作業は終えることなく継続することになっている。

 Mスポーツ・ポーランドのマネージング・ディレクターを務めるマチエイ・ヴォーダは、次のように述べている。

「フィエスタRally3の進捗状況にとても満足している。開発車両を見るたびに、この本当に画期的なマシンのために2020年を通してたゆまぬ努力を続けているチーム全体をとても誇りに思っている」

「誰にとっても非常に困難な1年だったが、クラクフのチームによるフィエスタRally3のデザインと開発を邪魔するものは何もなく、自分たちの力を最大限に発揮してくれたことに感謝したい」

「フィエスタRally3は、現在存在するどのマシンの代替となるものではなく、全く新しいコンセプトのマシンとなる。2輪駆動から4輪駆動へステップアップを目指すドライバーにとっては、4輪駆動の技術を学び、磨くことができる、完璧なステップストーンとなるだろう」

「Rally3のコンセプトについての議論が始まった初期から、我々はこのカテゴリーの可能性に興奮してきた。コスト削減は我々にとっても重要なポイントだったが、エントリーレベルの4輪駆動マシンとしては99,999ユーロは良い価格であり、特に世界中の国や地域のラリー選手権にとっても非常に良い価格だと思う」