WRC2020/03/30

Mスポーツ、Rally1規定の最終決定を急ぐよう要請

(c)M-Sport

 Mスポーツ・フォード・チーム代表のリチャード・ミルナーは、新型コロナウイルス(COVID-19)による予期せぬシーズンの中断を利用して、世界ラリー選手権の2022年のテクニカル・レギュレーションの最終決定を加速するようFIAに要請した。

 3月に開催されたワールドモータースポーツカウンシル(WMSC)は、2022年から世界ラリー選手権のトップカテゴリーに導入される新しいグループRally1の技術規定を承認、ハイブリッド技術が投入されたこのマシンが、センターデフを廃した5速トランスミッション、ホイールトラベルを短くしたダンパー、簡素化されたリヤのエアロなどによってコストの削減を目指したものとなることが明らかになっている。

 しかし、Rally1に搭載されるパワーユニットについては、現行のグローバルレースエンジン(GRE)かグループRally2(昨年までのR5)マシンのエンジンのどちらを搭載することになるのか、コモンパーツとなるハイブリッド技術の詳細についても未決定となっている。

 これらの最終仕様の決定のための作業は継続しており、6月にタイで開催されるWMSCでの承認を目指しているが、アルゼンチン、ポルトガル、サルディニアの延期によって、WRCは7月に開催されるサファリ・ラリーで再開されるまで4か月近く休みが空くこととなったため、ミルナーは、この空白期間をRally1の技術規定を最終決定するために使用できると語った。

「いつものようにラリーが続けばすべての関係者が時間が限定されるが、今はそのようなことは無い。最終的なレギュレーションをじっくり検討するにはうってつけの機会だ」とミルナーは語った。

「我々は何度も会議を行っており、誰もがこれに本当に懸命に取り組んできた。電話会議でそれらの会議を続けることができない理由は無い。これはおそらく我々にとって、時間を賢く使用してマシンの設計を進めるための機会となる」

「現在の状況から目を外に向けて見ると、明らかに2022年が優先事項であり、今、物事を確定させる必要があると思う。多くの情報を得て、もう少し情報を待っているところであり、我々はすぐに2022年にむけた作業に集中する必要がある」