WRC2021/04/30

Mスポーツ、Rally1カーはプーマかフィエスタか

(c)Ford

 Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチーム代表のリチャード・ミルナーは、チームが2022年に投入する予定のRally1カーのベースモデルについてフィエスタとともにもう1台のオプションが検討されていることを公式にみとめた。

 次期Rally1カーのプロジェクトについて、すでにヒュンダイ・モータースポーツは、i20 Nをベースモデルに開発することを発表しており、トヨタGAZOOレーシングWRTもGRヤリスWRCの今季投入を諦めた際に、GRヤリスをベースにして次世代Rally1カーの開発を進めることを発表している。Mスポーツはこれまでのところ次世代マシンについて明言を避けてきたが、ヨーロッパの自動車ユーザーの購買嗜好の変化により、新しいクロスオーバーSUVのプーマがベースモデルになる可能性が当初から強く噂されてきた。

 Mスポーツは今週火曜日、フィエスタをベースとしたRally1カーのプロトタイプマシンの写真を初公開するとともに、グラベルとともにターマックでのテスト走行を行っていることを明らかにしている。

 Mスポーツが公開したテストカーは、新しいRally1カーの規定にもとづきフロントバンパーからダイビングプレーンなどのウイングが消え、リヤウイングはそのままに見えるがリヤフェンダー後方にあった開口部はふさがれてRally2カーのような印象を与えている。これらがどこまでRally1規定に沿ったものなのかはっきりはしていないが、ハイブリッドシステムとともに次世代Rally1カーの技術規定のもう一つの重要な要素であるFIAが新たに設計したセーフティセルの様子が初めて写真で明らかになったことでも注目されている。

 フィエスタとクロスオーバーSUVのプーマは共通のプラットフォームをもっており、Rally1カーの開発プロジェクトにおいてもハイブリッドシステムの作動を確認している現段階では少なくともマシンの外観が大きな意味をもっているわけではないことははっきりしている。

 ミルナーは、来シーズンに向けて、フィエスタ以外に少なくとも1つの選択肢を検討している最中だと語った。

「何がベストなのか、まだ議論が続いている」とミルナーは語った。「今後数ヵ月間に英国外でのテストを開始すれば、きっといくつかの写真が出てくるだろうから、どのマシンになるのかは撮影するカメラマンに任せることにしたい。私が何かを言ってトラブルになるよりもそちらのほうが簡単だからね」

 MスポーツのWRカーは1999年から2010年までフォーカスをベースにしており、2011年からフィエスタがベースとなってきた。